今年1月に亡くなった熊野市飛鳥町大又、北邦子さんの絵手紙作品集「天真にまかす」が出来上がった。温かいタッチの絵と優しい言葉の数々に邦子さんの人柄がにじみ出て、故人を近くに感じさせる一冊になっている。
邦子さんは1月9日、71歳を前に旅立った。夫である大義院住職の北孝三さんを支えながら3人の子どもを立派に育てた良妻賢母そのものだった。
作品集にある孝三さんの挨拶によると、葬儀を終え本棚を整理していたところ、邦子さんの絵手紙が入ったファイルが見つかった。沢山の量で、絵手紙仲間に手伝ってもらい本堂に展示したという。
多くの人たちが観覧する中で、元県議の森本繁史さんが画集にすることを提案。森本さんや椋野玲史、知久亜紀さんの支援や助言により、一周忌にあたり作品集刊行の運びとなった。
作品集はオールカラーの約50㌻。春夏秋冬に応じた邦子さんの絵手紙や書作品、家族などとの写真が掲載されている。
孝三さんは「生前邦子は地域の福祉活動をする私に力を貸してくれ、敬老会の踊りや余興、絵手紙教室、書道教室、子供坐禅会、梅花講、お花の会など持ち前の明るさと人懐こさが、その場の空気を和やかにさせたのである。願わくは、この冊子を開いて彼女を想い出していただければありがたく、菩提供養になることと存じます」と綴っている。