国内7つのUCIのトップを切って、熊野路の険しい山岳地帯などで体力の限界を競う自転車ロードレース「TOUR de 熊野(ツール・ド・くまの)」が、5月8日(木)から11日(日)まで、印南町と古座川町、熊野市、太地町で開催される。25回目の節目となる今年は大会直前の5月6日(火)にプレイベントとして和歌山市で「和歌山城クリテリウム」を実施。大会コースも印南町での「印南かえる橋周回コース」を加え、全4ステージで国内外19チームがしのぎを削る。
14日、主催する「NPO法人SPORTS PRODUCE熊野」から角口賀敏実行委員長はじめ実行委員の横田勝之、大谷壌士さん、下澤友紀雄さんが熊野市役所記者室で記者会見した。それによると、今年初めて開催される和歌山城クリテリウムは、和歌山城北側のけやき大通りを往復する1周1・5㌔のコースを設定。20周30㌔の距離で行われる。
ツール・ド・熊野の大会日程は8日に「印南かえる橋周回コース」、9日に「古座川清流周回コース」、10日に三重県で「熊野山岳コース」、最終日の11日は「太地半島周回コース」が行われる。
10日の「熊野山岳コース」は有馬町の防災公園が発着点。風伝トンネルから上地神社前バス停を右折し、大栗須バス停と丸山千枚田、西山郵便局、平谷交差点、赤木城駐車場、田平子峠を巡るコースを3周して防災公園へ戻る107・7㌔。午前9時50分からスターティングセレモニーを行い、くまのParadiseへ向けて約1・4㌔をパレード走行して、そのままリアルスタートとなる。
大会にはイタリアやマレーシア、タイなど海外から7チーム、国内では新宮市の株式会社キナンがメインスポンサーのプロチーム「キナンレーシングチーム」やチーム右京など12チームがエントリー。特にイタリアからはUCIプロチームの「ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ」が参戦。メンバーには、オリンピアンでかつて「熊野山岳コース」で優勝した新城幸也選手も所属している。地元のキナンレーシングチームも、ヨーロッパで活躍したレイン・タラマエ選手やネイサン・アール選手らを要し、過去最強の体制でレースに臨む。
大会の模様はサイクリングチャンネルで完全ライブ中継され、ZTVでも生中継。角口実行委員長は「延べ面積約500㌔を5日間かけて走る、日本でも一番大きな大会になってきました。すごいチームも来ており、本場ヨーロッパ並みの大会になるのではと期待しています。特に『熊野山岳ステージ』は、そこで勝敗が決まるというぐらい過酷なコースとなっています。丸山千枚田を周回するコースを全国から楽しみに観に来てくれる方も多い。これを機会に観光、風光明媚な熊野地域をPRしていければ」と話した。また、25回と大会が長く続いていることに「ここまで続けてこられたのは地域の皆様のご協力とご理解を頂いているおかげ。地域の皆さんの応援で開催できるのは本当に嬉しい」と感謝。「今後もできる限り続けていきたい」と述べた。