学びの拠点の誕生を祝う 「三重県立熊野青藍高校」開校

 木本・紀南高校が統合してできた「三重県立熊野青藍(せいらん)高等学校」が9日、開校した。紀南校舎で行われた開校式には福田英成校長をはじめ、一見勝之知事、熊野市、南牟婁郡の首長、PTA、同窓会、地元中学校長など大勢の関係者が出席。学びの拠点の誕生を祝い、未来に期待を寄せた。

 校名は、はじめに公募で728案が寄せられ、その後に熊野市、御浜町、紀宝町の小学4年生以上、中学生、木本、紀南高校の生徒、東紀州くろしお学園の児童生徒(小学部4年生以上)の合計約2200人を対象に投票を実施。その結果などを踏まえ、熊野青藍高校のほかに「熊野高校」「七里御浜高校」の3案に絞り込まれ、最終的に県議会で熊野青藍に決まった。この校名には「青は藍より出でて藍より青し」のように、青い海に面した学び舎で輝く「青春」を送り、故郷の誇りである熊野の海よりも広く大きな心を持つ「青年」に成長してほしいという願いが込められている。

 福田校長は、開校にあたって尽力したたくさんの協力者に深く感謝。そして生徒たちに向けて、これからの時代を生き抜いていくために一層求められる3つの資質・能力として①夢や目標の実現に向けて主体的に学び続ける力②互いの良さを生かして協力・協働する力③何事にも積極的に挑戦し未来を切り拓く力―を身につけ、高めていってほしいと激励した。

 続いて来賓挨拶として、一見知事、小林正人県議会副議長、河上敢二熊野市長、大畑覚御浜町長、西田健紀宝町長が登壇。喜びと関係各位への感謝とともに、新入生へ激励のメッセージを送った。

 新しく作られた校歌は、作詞を「新世紀エヴァンゲリオン」主題歌『残酷な天使のテーゼ』など多数の名曲を生んだ及川眠子さん、作曲は『残酷な天使のテーゼ』等の編曲に携わる大森俊之さんが担当した。歌詞には1、2番共通して校名にもある〝蒼〟が使われているほか、「熊野の大地」や「七里御浜」といった当地域の誇りが取り入れられており、目指す学校像や校名に込められた思い等を踏まえた内容となった。

 制服は、次世代を担う高校生として、地域の伝統を受け継ぎ七里御浜の〝青波〟と校名の〝青藍〟を象徴する濃紺を基調とするものとなっている。また、機能面にも配慮しており、上衣は立体的パターン使用、洗える素材やワンタッチのクリップネクタイなど着やすさと清潔さ、簡単な取扱いなどが特徴となっている。

 校章は、海をイメ―ジさせる青色や水しぶき、水平線をデザインし、左上には地域の特産物であるみかんの葉をあしらっている。

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