三重県立木本高校(福田英成校長)と紀南高校(孝明校長)で1日、それぞれ卒業式が行われ、木本は普通科119人、総合学科39人の合計158人、紀南は普通科75人の両校合わせて233人が3年間、友情を育み、勉学やスポーツに励んできた母校に別れを告げた。
木本高校は同校体育館で第77回卒業式を挙行。国歌、校歌斉唱に続き、福田校長が卒業生代表の畦越理輝さん(普通科)と東亜那音さん(総合学科)の2人に卒業証書を授与した。
福田校長は式辞で「これからも常に自分の姿を見つめ直し、自己を高め成長させていって」とエール。挑戦することは人生の大事な経験になることや、失敗や後悔と向き合い立ち上がることが真の「自立した人」であることを伝え「進んでの失敗は一時の後悔で済む。退いての失敗は一生の後悔となる。しかし、たとえ退いて失敗してしまったとしても、その深い後悔を胸に次こそ進めば十分だ」とはなむけの言葉を送った。
この後、来賓の谷川孝栄県議、河上敢二市長が祝辞。在校生代表の北村遥香さんが送辞。卒業生を代表し川端健太郎さんが3年間の高校生活から家族や教員への感謝を伝え「これから私たちはそれぞれの夢に向かって別々の道を歩み始めます。その過程で大きな壁にぶつかったときは、木本高校で得た思い出と学びを糧に乗り越えていきたい」と答辞を述べ、式を終えた。
表彰を受けたのは次の皆さん。
▼産業教育振興中央会長賞=産屋敷羚夢
▼全国総合学科高等学校長協会賞=九重地晴菜
▼全国商業高等学校長協会賞=伊永蒼依
▼皆勤賞=畦越理輝、内山心愛、大川黎、奥田朋香、菊山統碧、中村空雅、大前太暉、石田麻、久保瑞稀、山本涼介
コロナ禍から通常の学校生活が戻り、仲間とともに大きく成長した75人が次のステージに旅立った。
後輩や保護者、教職員の拍手が響く中、卒業生が体育館に入場。3年1組の前地蒼斗さん、2組の打越映伝さんがクラスを代表して登壇し、孝明校長から卒業証書を受け取った。
在校生代表の栃尾琉翔さんからの送辞を受け、卒業生代表の堀口心愛さんが答辞。入学当初は新型コロナウイルスの影響でマスク着用が義務付けられていて、初めて会うクラスメイトとも顔半分が隠れた状態でコミュニケーションをとらなければいけなかったこと、2年生では修学旅行でユニバーサルスタジオジャパンなどに行って思い出を作ったこと、3年生では体育祭や文化祭で仲間たちとの絆を再確認し、思い出を共有したことを振り返った。
3年間の苦楽をともに過ごした仲間に感謝を伝え、最後に保護者へ、18年間育ててくれたことに感謝。新たな世界に飛び込んでいく決意を伝え、「きっと今まで以上の大きな壁にもぶつかることになるでしょう。そんな時には家族のあたたかい言葉を胸に乗り越えていきたいと思います。今日まで私達を大切に育ててくれてありがとう」とむすんだ。
式辞に立った校長は「みなさんは地域の宝。みなさんがやがて、この地域の力になることを期待しています。そして、令和7年4月に開校する熊野青藍高校のことを応援してください」と背中を押した。