御浜地域環境活動組織を表彰 情報発信で参画促進も 第5回熊野地域のつどい

 三重県熊野農林事務所は19日、御浜町役場くろしおホールで「多面的機能支払活動『第5回熊野地域のつどい』」を開催。各地域で活動に励む12組織の代表者と行政職員ら26人が参加し、講演やグループディスカッションなどで情報発信を含めた地域住民の参画を促す取り組みなどについて意見を出し合った。

 熊野地域で多面的機能支払活動に取り組む活動組織が相互の情報交換等を行うことで、農業農村を守る活動により一層取り組んでもらおうと開催しているもの。多面的機能支払活動とは、農地法面の草刈、水路の泥上げ、水路や農道の軽微な補修など、農業や農村が有する多面的機能の維持・発揮を図るための地域の共同活動に対する国や県、市町からの支援(多面的機能支払交付金)を受けて実施する活動。管内では本年度時点で20組織が活動中で、新年度からは21組織に増加するという。

 開会にあたり同事務所の髙橋武志所長が「皆さんの活動は多面的機能の発揮だけでなく中山間地域の活性化にも効果が期待されている。これからは地域の皆さんと手を取り合っていくことが重要で、そのためには広報が非常に大きなツールになる。今日は非常に大きな注目を集めているツーリズムみはまの取り組みを学び、全国から応援される地域にしていければ」と挨拶した。続いて10年にわたって活動を継続している「御浜地域環境活動組織」を表彰し、同組織の丸山俊明さんが「今後は環境や景観など素晴らしい御浜町を残していけるような広域な活動も検討したい」と謝辞。一般社団法人ツーリズムみはまの本安芸さんが「地域住民に伝える広報の取組について」をテーマに講演した。

 本さんは新規就農プロジェクトの一環として取り組んだ情報発信について紹介。「情報発信はなぜ、誰に、いつ、どこで、何を、どう伝えるのか追及することが肝要。御浜町の場合は新規就農と移住を組み合わせ、差別化できる内容を整理して御浜町を選びたくなる理由を打ち出し、そこにやりがいなど精神的付加価値を伝えた」などと紹介した。

 また、SNSや新聞など各媒体の特徴も伝えたうえで「▽発信したいことを知る▽強みは何かを整理する▽なぜ情報を届けたいのか▽誰に・いつ届けたいのか▽何を届けたいのか▽そのために何を活用するのが良いのか▽それをどう伝えるのか―を、どんな規模でもきっちりやれば成果は出る。それを信じて少しずつでも取り組んでもらえたら」と結んだ。

 引き続き飛鳥本郷農業保全会、御浜地域環境活動組織、子安の里の会の3団体が取り組みを紹介し、パネルディスカッションを行った。最後は講演内容を踏まえて「地域住民の参画を促す方法について」をテーマにグループディスカッションを実施。互いの地域で行っている取り組みについて情報共有を図るなど、熱心に語り合っていた。

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