命の道、地域活性化の道 新宮紀宝道路が開通 関係者総出で盛大にお祝い

 紀宝町神内~新宮市あけぼのまでをむすぶ「一般国道42号新宮紀宝道路」が7日午後3時に開通した。同日、生涯学習センターまなびの郷で記念式典が挙行され、西田健町長、田岡実千年新宮市長、高速自動車道紀南延長促進協議会特別顧問の二階俊博元衆議院議員ら関係者、地元住民ら大勢が参加。地域の悲願である〝命の道〟、〝地域活性化の道〟誕生の喜びを分かちあった。

 新宮紀宝道路は、熊野川河口大橋(821㍍)を含む延長2・4㌔、幅員12㍍の自動車専用道路。輸送時間の短縮や緊急医療活動の支援、渋滞緩和による地域相互の振興と発展、台風等による土砂災害や南海トラフ地震等の地震災害時におけるネットワークを構築し、救命活動や地域振興支援を主な目的としている。

 事業化に至る道のりは、平成14年7月に新宮市の住民団体「海岸道路の建設を促進する会」、同15年7月に旧鵜殿村の住民団体「架橋虹の会」が発足し、両団体による河口大橋の建設を求める動きが活発化したころから始まった。同16年3月に行政と議会が参画し、官民共同の「熊野川河口に橋を架ける会」が発足、架橋に向けた機運がさらに高まると、同25年度に一般国道42号新宮紀宝道路が事業化され、熊野川河口大橋の架橋も現実のものとなった。その後、国への要望活動をはじめ全国知事会や全国高速道路建設促進協議会、南海トラフ地震による超広域災害への備えを強力に進める10県知事会議などあらゆる機会を通じて、事業期間を5年とした新たな対策の策定や対策内容の拡充、事業規模を15兆円とすることなどが国に要望された。その結果、令和2年12月に「防災・減災、国土強靱化のための5カ年加速化対策」が閣議決定し、「概ね15兆円程度の事業規模」「令和3~7年度までの5年間を事業期間とする」「高規格道路のミッシングリンク解消」等が新たに対策に位置付けられるなど、要望が反映された。

 式典で来賓各位が式辞。二階特別顧問は「この道路からもたらされる新宮熊野地方の躍動を味わいたい」、鈴木英敬衆議院議員は「紀伊半島一周の高速道路の実現に向けてこれからも頑張っていきましょう」などと喜びを表現した。そして地元を代表して西田町長は「みなさまとともに歴史の1ページを共有し、喜びを分かち合えることは感無量。感謝以外の何物でもありません」と述べた。近大新宮吹奏楽部も演奏で開通をお祝いした。

 最後は田岡市長が音頭をとり、会場の全員で万歳三唱して喜びを爆発させた。

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