児童虐待等の相談増加 紀南地域家庭支援協議会で情報共有

 令和6年度紀南地域児童家庭支援協議会(会長・鈴木基朗御浜町健康福祉課長)の代表者会議が19日、御浜町役場で開かれた。東紀州地域を管轄する紀南児童相談所管内では令和5年度の虐待相談件数は314件で前年から60件以上増えており、関係機関が子どもたちを守るべく連携強化を図った。

 同協議会は児童虐待を受けた児童等の要保護児童の早期発見や適切な保護、支援を図るため児童福祉法に規定する要保護児童対策地域協議会として、熊野市、御浜町、紀宝町の関係機関で構成している。今年度からは津地方法務局熊野支局が加わった。代表者会議には三重県紀州児童相談所をはじめ県、三市町の福祉行政、民生委員児童委員、医師会、病院、教育委員会、学校、警察など関係機関の代表者ら約30人が出席した。

 はじめに鈴木会長が「核家族化や地域の希薄化などで子育てがしにくい環境と言われている。児童虐待は全国的に悲惨な事件が数多く発生しており、地域における防止体制強化が求められている。協議会を通じて、地域全体で児童虐待防止や子どもたちが健やかに成長できる環境づくりにつながることを祈念します」と挨拶した。

 続いて、紀州児童相談所の宮﨑太一課長や各市町の担当者が管内の状況を説明した。それによると、同事務所管内の令和5年度相談件数は314件で、前年度249件と比べ増加。今年度も300件を超えるペースという。心理的虐待が多く、被虐待児の年齢は小学生が多いが、3歳未満や3歳~就学前に保育園などで心配な状況が発見される子どもの割合が多くなっている。主な虐待者の内訳は実父母がほとんど。

 各市町別の令和5年度児童虐待相談受付状況は熊野市が27件(身体的虐待5、心理的虐待8、ネグレクト11件)。御浜町は相談受付25件(身体2、心理13、ネグレクト10件)で、前年に比べ倍近い数字。紀宝町は相談受付13件(身体2、心理4、ネグレクト7件)。

 この後、研修会へと移り宮﨑課長が「虐待対応に伴う家族支援について」をテーマに講演。意見交換では各関係機関の家族支援の状況などを共有した。

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