繁忙期の柑橘農家をお手伝い 御浜町職員副業制度が2年目

 当地方では現在、みかん収穫が大忙し。そんな中、御浜町は昨年から農家の手伝いを役場職員が行う副業制度を実施している。御浜町と同じく柑橘産業が盛んで、令和2年度から同制度を実施している和歌山県有田市の情報を参考にしてスタート。三重県内の自治体としては初の取り組みで、今年は希望者10人がJAを通じて農家を紹介され、仕事を手伝っている。

 手伝い先は管内の園地で、労働時間は収穫の繁忙期である9月~11月までの土日祝日、週8時間以内、月30時間以内。賃金は三重県の最低賃金以上と決まっている。

 職員は受け入れ先である農家でお手伝い。森本良典さんと久保貴翔さんは熊野市金山町にある寺西勉さんの園地(30㌃)で、早生温州みかんの収穫を行っている。寺西さんによると、普段は妻と2人で園地を切り盛りしており、収穫や摘果といった作業にはどうしても人手が必要になることからアルバイトを雇うこともあるという。寺西さんは「この園地では12月半ばごろまで収穫が続くので、サポートは非常にありがたい」と話した。

 副業制度を利用するのは、森本さんが昨年に続いて2年目、久保さんは初めて。昔は家族がみかんを作っていたという人が多かった一方、みかん農家が減っている昨今では主産業から遠ざかっている人も増えてきている。2人は「御浜町の基幹産業であるみかんについて学び、農家の実態を知る良い機会だと思って参加した」と声を揃えた。

  • URLをコピーしました!