営農の可能性探る挑戦 子安の里の会神内の田んぼで野菜栽培

 紀宝町の「子安の里の会」(中西和益会長)は14日、神内の田んぼでブロッコリーとダイコンの定植作業を行った。新たな営農形態の可能性を探る取組で、稲作中心から複合的農業への転換に向けて、春から夏の米作り、秋から冬の野菜栽培の二毛作への挑戦がスタートした。

 神内の中心部には約30㌶の農地が広がり、美しい田園風景が広がっている。 一方、近年は人口減少に伴う農家の担い手不足が深刻で、耕作放棄地が増加。地元農家が協力して稲作中心の農業を進めているが、田園風景を守ることが困難な状況にあるという。

 神内の農業を未来につなぐため、昨年度から三重県、町、地域が一体となり、協議し、試験的に野菜栽培に取り組むこととした。田んぼ約3㌃を、畝を高くするなど野菜栽培に適した畑に。野菜は冬に収穫できる2種類を選んだ。

 定植作業には子安の里の会、県、町と地元、神内小学校の古根川正樹君(5年)、睦実さん(2年)のきょうだいも参加。ブロッコリーの収穫は12月下旬を予定しており、町内で販売するほか、JA伊勢に出荷する。来年1月には、地域住民らを招いてブロッコリーの収穫体験、神内の歴史・稲作講座を開くという。

 中西会長(77)は「神内の農家は若くて60代。野菜作りの経験が少ない農家が多く、うまく野菜が育ってくれることを願っている。取り組みをきっかけに農家が増えれば」と話していた。

 なお、この畑を地域住民の集いの場にしようと、名称を募集中。応募など問い合わせは紀宝町役場産業振興課(電話0735・33・0336)、熊野農林事務所農村基盤室(電話0597・89・6128)へ。

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