熊野市紀和町の入鹿中学校(山本時生校長)の花壇が令和6年度フラワー・ブラボー・コンクール(FBC)で最優秀賞の大賞に輝いた。全校生徒10人が協力し「丸山千枚田」をイメージして育てた花々が校舎玄関前の花壇を彩り、訪れる人たちの心を爽やかにしている。
FBCは学校での花壇作りを通し、自然を愛する心を育ててもらう目的で中日新聞社と中部地域の7県1市が実施している。入鹿中は昨年、県知事賞を獲得しており、2年連続の入賞となった。
入鹿中には校舎玄関前に円形にデザインされた花壇があるが、シカやイノシシによる獣害で5年ほど前から上手く活用できていなかった。しかし昨年度から獣害対策も考えつつ花壇を復活。円形にデザインされた花壇は来校者や地域住民から好評を得ている。
今年度は5月24日に家庭科の授業で花壇づくりを開始。同28、29日に育苗ポットへメランポジウム(黄)、日々草(桃)、マリーゴールド(黄、橙)、サルビア(赤、白、青)の種をまいた。6月21日に学校花壇設計を発表しあい「丸山千枚田」をテーマにした花壇づくりに挑戦することを決めた。
発芽したものを花壇へと移植。シカやイノシシの被害も遭ったが、その都度、獣害忌避用品を購入するなど対策。育友会活動などもあり、大きな被害を出さずに済むことができたという。
今年度の花壇設計は昨年より1段増やし3段に。背丈の低い花と高い花を前後で同心円状に並べ、全体として6段の花壇に見えるよう工夫。花壇上部の屋根で雨水や日光が当たらないという課題もあり、生徒たちが水やりや除草などをこまめに行なった。
花壇整備は学校全体の美化意識高揚にも繋がり「日本一美しい木造校舎と三重県一美しい学校花壇」という子どもたちや教職員の誇りにもつながった。生徒たちが協力して育てた美しい花は、生徒や学校を訪れる人たちに元気を与えている。