災害業務支援に深く感謝 石川県中能登町宮下町長が西田町長に

 紀宝町と姉妹都市協定を締結する石川県中能登町の宮下為幸町長らが11日、西田健町長を表敬訪問。元日に発生した能登半島地震を受けての災害業務支援に深い感謝を伝えた。

 両町のつながりは、平成24年1月にあった都道府県町村会正副会長会議に出席した西田町長と中能登町の杉本栄蔵町長(当時)が意気投合したことから始まる。その3ヵ月後に本格的な交流がスタートし、両町の執行部、議会議員、商工会、観光協会、消防団などが相互に行き交い、祭りやイベントで物産展の出店や郷土芸能などの披露を通して交流を深め合った。これらを経て同年11月に「災害時相互応援協定」を、翌年12月9日に姉妹都市協定を締結した。

 中能登町では約4400棟が全壊、半壊、一部破損などの被害が出た。紀宝町は発災翌日から給水・物資の支援や職員を派遣しての家屋被害認定調査等に協力し、1月2日~3月1日までの60日間で職員77人、のべ450人を向かわせた。4月20・21日には姉妹町提携を結んでいる石川県中能登町の「道の駅織姫の里なかのと10周年記念イベント」と「つながり復興市」に参加。20日の和太鼓演奏イベントでは「熊野水軍太鼓」(廣里稔暢会長)が出演し、復旧復興への願いを込めて2曲を演奏したほか、メンバーが集めた支援金を宮下為幸町長に託した。これに加え、中能登町から6月~年内を目途に住宅の応急修理にかかる事務支援の要請を受けたことから、紀宝町は6月10日から職員派遣を再開。12月28日までをめどに、1班1人の14班体制で住宅応急修理制度に関する窓口業務(受付、書類確認等)をサポートする。紀宝町からの義援金はこの日託したぶんを含め、現在約239万円にものぼる。

 宮下町長は「仮設住宅の設置や高齢者住宅などこれから考えていかなければならないこともたくさん。石川県全体でも2万2000戸が全壊・半壊と言われる中、実際には3万戸以上になるかもしれない。紀宝町はもちろん、全国から応援をいただき感謝。受けた恩は何倍にもして返す必要がある。中能登町には給水車がなく、紀宝町からの助けはとてもありがたかった」と謝辞を述べるとともに「いつ何時、地震が起こるか分からない。南海トラフ巨大地震の際にはすぐ馳せ参じたい」と話した。

 これを受け、西田町長は「国民が1番楽しみにしている日に災害が発生し、たくさんの人が辛い思いをされた。住民の命・財産を守るために大変な努力をされていることと思う。私どももお付き合いさせていただく中で、今後も中能登町の復旧復興へお手伝いをしたい」と励ましの言葉を送った。

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