防災減災への協力に感謝 御浜町消防団退団の7人ねぎらう

 御浜町は4日、昨年度末をもって同町消防団を退団した元尾呂志分団長の葛平秀明さん(勤続28年)、元市木分団の瀬古勝信さん(25年)、元市木分団の平岡大輔さん(21年)、元阿田和分団の木下英二さん(14年9ヵ月)、元阿田和分団の山科幸義さん(14年8ヵ月)、元阿田和分団の堀敏晴さん(13年)、元阿田和分団の林貴久さん(7年)の7人に感謝状を贈った。同日、役場で行われた授与式には葛平、瀬古、山科、堀さんが出席。大畑覚町長から感謝状を受け取り、ねぎらいの言葉を受けた。

 これまでの消防団生活で印象に残っていることとして、葛平さんは入団まもなくして発生した寺谷の火事(※)を振り返り、「仲間と4人でポンプを背負って山を登った。当時は無線もなくて連絡が大変だった」と話した。また山科さんは紀伊半島大水害を思い起こし、「朝起きたら家の周り一面が水浸し。紀宝町にも応援に向かった」と語った。

 今回、感謝状を受け取った7人はいずれも5年以上、町の防災減災に尽力。消防団の活動は火災だけでなく災害、行方不明者の捜索など多岐にわたる。大畑町長は町民の生命と財産を守る活動に敬意を表し、「消防団での経験を生かし、今後はいち住民として御浜町のためにお力を貸していただけたら」と感謝を伝えた。

※寺谷の火事…平成9年1月19日の昼下がり、1本のポイ捨てタバコが原因で発生。火は乾燥しきった上市木地区の山林をまたたく間に走り抜け、消防署員らが現場に駆けつけた時にはすでに火が山頂に届こうとしていた。延焼箇所が非常に広く、町は町内の全分団に応援を要請、防災ヘリコプターも出動する事態となった。消火活動は翌日の午前1時まで続き、鎮火後も数名の団員が消化器を持って山林を登り、残り火を消してまわった。

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