着服金は全額回収 好機生かして振興を 熊野商議所が通常議員総会

 熊野商工会議所(榎本義秀会頭)は28日、熊野市文化交流センターで通常議員総会を開き、昨年度の収支決算などを承認した。

 榎本会頭は冒頭、同所元職員による会議所資金の着服について「着服された金額約6400万円は全額回収しました。5月27日に返還の覚書を交わし6月10日に入金を確認しました。全額回収は出来ましたが刑事告訴をすると言う方針は変わっておりません。現在、熊野警察と相談をしている段階で近々、刑事告訴状を受理していただけるものと思っています」と報告した。

 続けて「今回の事件を深く反省し、現在、再発防止策として、これまで行っていた経理事務等を再点検し、通帳管理、金融機関届け出公印管理、領収書の発行管理、職員のコンプライアンス意識、預金の残高確認方法など、三重県、熊野商工会議所監事の皆さんにご意見、ご指示をいただきながら策定しています。これまで慣例的に行っていたことについても見直しが必要であり、会員の皆様には大変な不便をおかけしますが、ご協力をお願いします」と説明。「今回の事件で会員の皆様だけではなく、市民の皆様、日本商工会議所、行政関係の皆様に大変なご迷惑とご心配をおかけしました。商工会議所職員、副会頭、専務理事、そして会頭の私は、今回のことを深く反省し、これまで以上に事業、財政、事務の改革に取り組んでまいります。この度は、本当に申し訳ありませんでした」とし、大崎順敬、中谷昇司、井本伊織各副会頭らと頭を下げて陳謝した。

 さらに、熊野アグリパークや熊野古道世界遺産登録20周年記念事業、物価高騰対策生活者・事業者支援商品券支給事業として市民1人5000円のレインボー商品券が支給されることなどに期待し「イベント、スポーツ大会で人が多く集まることや、レインボー商品券が市民に支給されることなどをチャンスととらえ、色々なアイディアを出して商いをしていただきたい」と呼びかけた。

 議事では昨年度の事業や収支決算など9議案を審議。令和5年度は一般会計の収入決算額5026万7493円に対し、支出決算額4191万6399円。中小企業相談所会計や退職給与など各積立金会計、特別会計なども含め総額の収支決算額は収入1億8254万5131円に対し、支出8309万2187円。差引残高9945万2944円を令和6年度に繰り越した。

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