「近畿自動車道紀勢線(熊野市~新宮市間)建設促進期成同盟会」(会長・西田健紀宝町長)は7日、紀宝町のまなびの郷で総会と事業説明会を開き、紀伊半島一周高規格道路網の早期全線開通に向け団結を強めた。
同会は熊野市、新宮市、田辺市、御浜町、紀宝町、那智勝浦町、北山村や関係団体などで構成している。総会に先立ち、紀宝町主催の熊野道路及び紀宝熊野道路事業説明会が行われた。
紀勢国道事務所の市川幸治所長によると、近畿自動車道紀勢線に並行する一般国道42号熊野道路は、熊野市大泊町~同市久生屋町間の6・7キロ㍍。4つのトンネルが計画されており、第1、2トンネルは2月11日に着工式を行い現在、掘削を行っている。5月末時点で第1トンネルの掘削延長は約80㍍、第2トンネルの掘削延長は約75㍍。インターチェンジはトンネルの掘削土で造成していく。
紀宝町神内から熊野市久生屋町間を結ぶ紀宝熊野道路は延長15・6㌔。紀南病院の近くに御浜IC(仮称)が予定されている。現在、用地調査を行っており、御浜IC周辺と紀宝町内で用地調査に随時取り組む。
また、紀南河川事務所の田中雄三所長によると、和歌山県側では4つの事業に取り組んでいる。熊野川河口大橋を含む新宮紀宝道路は新宮市あけぼの~紀宝町神内の2・4㌔。この秋に開通予定。すさみ町~串本町間のすさみ串本道路(19・2㌔)は来年度の春に供用開始を予定している。
串本町~那智勝浦村八尺鏡野間の串本太地道路(18・4㌔)の用地状況は約8割。一部改良工事なども行っている。新宮市三輪崎~同市あけぼの間の新宮道路(4・8㌔)は用地買収や設計を進めている。和歌山、三重県にまたがる奥瀞道路(Ⅲ期)も一日も早い供用開始を目指しトンネル、橋梁工事などに取り組んでいる。
この後、総会が開催され、各首長や関係市町の商工会議所、商工会、観光協会などの代表者ら約50人が出席した。
西田会長は「地域の長年の悲願を達成するため、連携しより一層活発な事業を展開してまいります」と挨拶。祝辞に続き議事に移り事業計画などを承認。「南海トラフなど大規模災害時には、地域唯一の幹線道路である一般国道42号は津波などの浸水により壊滅状態になることが確実であり、紀伊半島を一周する高速道路の全線開通が地域の悲願」などとする決議文を採択。今年秋の新宮紀宝道路開通、令和7年春のすさみ串本道路の開通に向けた着実な事業推進などを強く求めていくことを決めた。役員改選も行われ、西田会長らを再任した。