通人技術活用し見守りも 神木未来の街づくりで説明会

 御浜町の神木区(今西冨士男区長)と神木みらいのまちづくり推進委員会(奥西誠人委員長)、三重大学は5日夜、神木公民館で「神木みらいのまちづくり説明会」を開いた。約50人が訪れ、情報通信技術を活用した地域づくりへの理解を深めた。

 神木区と三重大学では2022年10月に「神木みらいのまちづくり推進委員会」を設立。中山間地域の農業農村集落の課題解決を目的に、情報通信技術を活用したスマートビレッジの研究を進めている。

 説明会では今西区長がこれまでの経緯を紹介し、取組への協力を呼びかけ挨拶。三重大学共創の場プロジェクトリーダーで学長補佐の岡島賢治教授と森本英嗣、藤山宗両准教授、杉浦亜紀さんが「過疎・高齢化の中山間地域から日本を拓く『紀南オープンフィールド構想』と神木」をテーマに基調講演。同構想やこれまでの活動を紹介した。

 岡島教授らは神木地区を紀南オープンフィールド構想によるみどりのアントレプレナー共創拠点としてモデル地区にしたい旨を語った。先進技術を活用しながら斬新な発想を持つ若者と地域住民が議論を重ね▽常に最新技術が導入され、新たな仕事が創出され続ける開かれた農業の場▽開かれた紀南地域に魅力を感じ、国内外で活躍できる若者が集う教育の場▽将来像に向けてオープンイノベーションが展開される農村社会―を目指す。

 また、これまでに同委員会で神木区の優先順位を検討し「小中学生・高齢者の見守り、サルの管理を目指した体制構築のための調査」や「地域活性化のための組織づくりの議論」を重ねてきた。GPSデータを使い、神志山小児童の通学路や住民の散歩路の経路を調査。Webカメラを試験設置し、見守りを実施している。

 今後は今月19日には神木区の若者世代へ説明会を開催。その後、7月に専用ネットワークのローカル5G運用への意見交換を行い、8月上旬に神木公民館にローカル5G基地局を設置する予定。

 この後、出席者が紀南地域の将来像についてワークショップで考えた。引き続き、同委員会の奥西委員長が取組を報告。三重大学の協力に感謝し「10年、20年後も若い方に住み着いてもらえる集落になって欲しい。高齢化や過疎化の地域ほど新しい通信システムを利用すべきというお話を聞きました。昔なら考えられなかったことができる時代。新しい時代を感じられる地域になれば」と話した。神木の中学生以上にアンケートを実施する考えを示し、区民への協力を呼びかけた。

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