キャンドルが棚田彩る 伝統の農耕文化を 来月8日丸山千枚田の虫おくり

 熊野市紀和町の丸山千枚田で6月8日(土)午後6時から、恒例の虫おくりが実施される。同実行委員会(新谷進会長)主催で丸山区、丸山千枚田保存会など後援。雨天時は翌週の15日(土)に実施する。

 虫おくりとは害虫を追い払う行事で、農薬のなかった時代に行われていた農耕文化のひとつ。昭和28年まで実際に丸山地区で行われており、平成16年に熊野古道が世界遺産となったことを記念して復活し、近年では夏の風物詩となっている。コロナ禍で令和元年以来中止が続いていたが、昨年4年ぶりに復活となった。

 当日は午後6時から田の枚数と同じ1340個のキャンドルが灯され、幻想的な光景が広がる中、午後7時頃に地元住民らによる虫おくり行列が丸山神社を出発。松明の先導で提灯を持ち、鐘や太鼓を打ち鳴らしながら「虫おくり殿のお通りだい」と掛け声を上げて棚田を下に向かって歩く。その後、午後8時には北山砲が点火され、山峡に轟音が鳴り響く。

 実行委員会によると今年も昨年同様見学型として開催。伝統行事を見て、いにしえからの文化を肌で感じてもらう。なお、提灯は当日販売(1000円)する予定という。

 実行委員会では「丸山千枚田で実際に行われてきた農耕文化を、ぜひご覧ください」と呼び掛けた。問い合わせは市地域振興課(0597・97・1113)へ。

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