熊野尾鷲道路建設促進期成同盟会(会長・河上敢二熊野市長)の総会が21日、熊野市民会館で開かれた。熊野尾鷲道路の4車線化早期実現への要望を続けていくことなどを確認した。
総会を前に開催された近畿自動車道紀勢線事業説明会では、国土交通省紀勢国道事務所の市川幸治所長が熊野尾鷲道路(Ⅱ期)や熊野道路、紀宝熊野道路の進捗状況を説明した。
熊野市大泊町から久生屋町間の熊野道路は延長6・7㌔。今年度は43億4千万円の当初予算で、関係機関との協議や環境・水文調査、用地買収、移転補償、改良工、トンネル工を行う。
紀宝町神内から熊野市久生屋町間を結ぶ紀宝熊野道路は延長15・6㌔。今年度は9億2千万円の当初予算で環境・水文調査、道路設計、用地幅杭設置、用地調査・買収を予定している。3月末現在で全体の進捗率は約15%。区間には14の橋梁と7つのトンネルを施工する計画。
このほか、国道42号線では3月20日に紀宝町ウミガメ公園を防災拠点化。尾鷲南IC付近では今月18日に国道42号尾鷲南パーキングが完成した。道の駅熊野・花の窟では市と国土交通省が一体となり、駐車場拡幅、トイレ増築等の整備を実施している。
市川所長は紀勢道の整備により農水産物の販路拡大、製造出荷額、観光客の増加など、整備効果が10年間で約1千億円に上っていることを紹介。松阪中央総合病院から尾鷲市までが60分圏内に含まれるなど、適切な医療を実現する〝いのちの道〟や防災面の効果なども説明した。
総会には尾鷲、熊野市、紀北、御浜、紀宝町の構成市町の関係者ら約30人が出席した。主催者を代表し、河上会長が会員の協力に感謝するとともに「10年間で1千億円の効果が出ている。我々にとって命の道としてなくてはならない役割を果たしていると改めて実感しました。熊野市大泊まで整備され、そこから熊野道路、紀宝熊野道路、新宮紀宝道路の整備が進められている。大泊で国道42号、熊野尾鷲道路、311号が一つの道になっており、鬼ヶ城トンネルが通れなくなると、相変わらず熊野市から南は孤立する可能性がある。熊野以南の道路整備について早急に国に働きかけをしなければならない」と述べた。
また、能登半島地震の状況から「いま熊野尾鷲道路は暫定2車線ですが、4車線になり崩落があっても2車線が使える状況にしていくことが急務。一層のご理解ご協力、ご支援を」と団結を呼びかけた。
来賓を代表し東豊県議が祝辞。議事では熊野尾鷲道路や紀勢自動車道(紀勢大内山IC~尾鷲北IC)の4車線化について早期事業化を図るため、関係機関の要望活動などの事業計画を承認。地域に必要な道路事業予算を確保し、紀伊半島を一周する高速道路の早期全線開通と4車線化を強く求める決議文を採択した。