熊野市の七里御浜海岸で4月28日から、ゴールデンウィークの風物詩である「第37回泳げ!鯉のぼりくん」が始まった。これまで鯉のぼりを揚げてきた七里御浜鯉のぼりの会が昨年、40年の節目に一度は中止を決断したが、地元の若者らによる「みんなの鯉のぼりの会」(西垣内新会長)が催しを継承。昨年までと同規模となる獅子岩から約1㌔、250匹の鯉のぼりが揚げられ、早速観光客らが車を停めて〝群泳〟を楽しんだ。鯉のぼりは当初の予定を変更し、5日(日)まで行われる。
子ども達の健やかな成長を願うとともに、「観光熊野」をPRしようと行ってきたもの。新たなスタートとなるが、「継承」という想いを強く持ち「第37回」とした。
午前9時の作業開始時には木本高校JRC部、熊野市役所、熊野人権擁護委員協議会などの団体とボランティアが詰めかけ、長年のノウハウを持った七里御浜鯉のぼりの会がまずは結び方から指導。西垣内会長らも真剣な表情で実践し、250匹の鯉のぼりを取り付けた。
その後、高々と鯉のぼりが掲揚されると、詰め掛けた子ども達や通りがかった観光客も大喜び。快晴の空と七里御浜海岸をバックに約1キロ㍍に及ぶ鯉のぼりの〝群泳〟は圧巻で、早くも海岸に下りて記念撮影する家族連れの姿も数多く見られた。
作業後は約150人の参加者を前に西垣内会長が「海岸に並んだ鯉のぼりに感動しました。来年以降も継続していくので、ぜひご協力を」と挨拶。作業をバックアップした七里御浜鯉のぼりの会メンバーからも、若者らが熱心に取り組む姿に賛辞が贈られた。
長年設置に携わってきたメンバーは「地元の若者が一生懸命作業してくれて、無事揚がったのでとにかく良かった。初めて作業にあたった人も多く、まだ数回は手伝いに来ます」と感無量の表情。事務局としてつなぎ役を担った井上翔太さんと西垣内会長は「わからないことばかりで、皆さんの協力がなければできませんでした。ケガもなく無事に揚がって、感動した気持ちとホッとした気持ちが半々ですが、次の世代にもつなげていきたい」と声を揃えた。