地域に響く元気な“わっしょい!” 阿田和神社春季例大祭 5年ぶり通常規模で復活

 「わっしょい! わっしょい!」―。御浜町阿田和に子どもたちの元気な声が鳴り響いた。14日、阿田和神社で春季例大祭が斎行された。新型コロナウイルス感染症の影響で2019年春以来、5年ぶりに通常規模で復活。午前は戦没者慰霊祭、神事、奉納演芸会が行われ、午後は小学2年生以下の「ちびっこ神輿」、3年生以上の「子ども神輿」が地区内を練り歩き、神社に戻ったあとは阿田和交流会(芝野雄一会長)の獅子舞、舞姫による浦安の舞が奉納された。締めくくりに厄祓い餅まきが行われ、地域住民ら多数の参拝者で大いに賑わった。

 先の大戦で犠牲になった英霊を追悼し、氏子総代会ら関係者による神事。拝殿奥の高い位置にある神殿の扉を開帳して神饌(しんせん)を供えると、宮地秀直宮司が、地域の平安や商工業の振興を願って祝詞(のりと)を捧げた。終わりには町立阿田和小学校5年の下川愛空さんと松本心希さんが浦安の舞を奉納。練習の成果を発揮して華やかに舞った。神事後は境内で奉納演芸会が行われ、シンガーソングライター「nao♪」さんの弾き語りや参拝者みんなでみはま音頭を踊ってワイワイ。熊野鬼城太鼓は「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録20年を記念して作られた、熊野古道を歩く巡礼者を表現した『道ゆく人』を披露した。

 昼からの部にうつると、阿田和交流会のメンバーがサポートする中、「ちびっこ神輿」が阿田和公民館、「子ども神輿」が神社をそれぞれ出発。子どもたちが威勢良い掛け声を上げながら地区内を練り歩いた。途中、子ども神輿は阿田和海岸を訪れて禊(みそぎ)。子どもたちには海岸で待機してもらい、交流会のみんなが神輿を担いで海に浸かって心身を清めた。

 神輿が出発して約2時間後、神社に戻ってくると交流会が獅子舞(8演目)を奉納。『乱獅子』や『花がかり』のほか、『寝獅子』では阿田和小3年の田中瑛士君、仲櫻馬君、東稜芯君が立派に大役を務めた。また午前に続いて舞姫が浦安の舞で境内を華やかに彩った。最後は厄祓い餅まきで1日が盛大に締めくくられた。

 神社総代会の畑中時男会長は「祭りの賑わいは阿田和の繁栄」と5年ぶりに通常規模の祭りが開催できたことに喜びを表すと、宮地宮司も「昔の賑わいを取り戻していきたい」と続いた。

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