熊野商工会議所(榎本義秀会頭)の令和6年「新年の集い」が10日、熊野市の鬼ヶ城センターで開かれた。来賓や会員ら68人が出席し、親睦を深めるとともに経済活性化に向け英気を養った。
開始にあたり能登半島地震の犠牲者に黙祷。榎本会頭は挨拶でまず能登半島地震に関し防災対策の必要性などを語り「やるべきは被災した地域のためにも、しっかりと経済を回していく事」と述べた。経済の実感としては年末年始のスポーツ集客の賑わいから、市内経済の活性化に希望を膨らませた。
また、榎本会頭は「夢の紀伊半島一周高速道路が現実のものとなりつつあります。2月11日には国道42号熊野道路第一トンネル、第二トンネルの工事着工を迎える運びとなりました。特に、第一トンネル(鬼ヶ城)は、熊野市街地の孤立を防ぐ上では重要な道路」と喜ぶ一方で「しかし、高速道路の延伸は地域間競争を激化させます。通過させるのではなく、インターから熊野市内に降りていただく対策をしていく必要があります」とし、市が進める熊野アグリパークが紀伊半島一周高速道路完成後の堰止め効果となることに期待を寄せた。
榎本会頭は「最後になりますが、世界では悲しい戦争が続いています。戦争には火薬が使われます。外国では火薬がもっぱら戦争の道具として発展したのに対し、日本は、火薬を花火の材料として進化させたと言われています。熊野市は、火薬を日本一の熊野大花火大会で使い全国の人を幸せに笑顔にしています。今年も、皆さんが幸せに笑顔で過ごせますことを願います」と挨拶を締めくくった。
引き続き、来賓の鈴木英敬衆議院議員や吉川有美参議院議員、河上敢二熊野市長、廣田恵子三重県副知事、谷川孝栄、藤根正典両県議が祝辞。鈴木衆院議員はインフラ整備や一次産業の成長モデル、スポーツ観光の応援などに全力で取り組むことを改めて表明。吉川参院議員は「これからは様々な制度の中身を作っていく。皆さんの声をお伝え頂ければ」と呼びかけた。
河上市長は商議所の会員事業所に賃上げや、少子化対策として結婚を忌避していない従業員への婚活、消費拡大への協力を求めた。
この後、来賓らが威勢よく鏡開き。久保市議会議長の発声で乾杯し祝宴に入り、参加者は大いに交流を深めた。最後は大﨑副会頭が閉会の辞で締めくくった。出席者は目まぐるしく変化する社会情勢への対応や、地域経済の発展への団結を誓い合い、決意を新たにしていた。