NPO法人環境ファースト連合会(椋野玲史会長)は10日、尾呂志川から井田川にかけての七里御浜六部海岸で清掃作業を行った。会員や協力団体など約250人が参加。人海戦術で海岸の漂着ゴミや流木などを撤去し、世界遺産の浜街道が輝きを増した。
吉野熊野国立公園に指定され、世界遺産「熊野古道」伊勢路の浜街道となっている海岸だが、大量の流木や生活ゴミ等の漂着物が打ち上げられている状態。美しい海を未来につなげるため、税金を使わずに官民一体となって海岸清掃を行おうと実施した。
同連合会や山地地区企業会はじめ御浜町建設業組合、紀宝町、新宮市の建設業者、三重県職員、御浜町役場、林野庁などが協力。大畑覚御浜町長も参加した。
多くの賛同者を前に椋野会長は「3~4年前、ここはゴミが一杯の『ゴミ街道』で大畑御浜町長に何度も話をしました。行政が予算をつけてきれいにして現状を保っている。今日は安全に気をつけて、ゴミ街道を浜街道にしていただくよう、よろしくお願いします」と挨拶した。
引き続き、山地地区と六部海岸の環境を守る会の山本進部会長が「皆で六部海岸をきれいにしましょう」。大畑町長は同連合会の活動に敬意と感謝を表し「すばらしい海岸を次の世代につなげる協力を」と呼びかけた。
この後、参加者は御浜側と井田側に分かれ、漂着ゴミや流木などの撤去、清掃作業に励んだ。また、再利用可能な流木は薪として生まれ変わった。今後、紀宝町のウミガメ公園や御浜町のパーク七里御浜、熊野市のお綱茶屋で無償提供を予定している。
同連合会では今年に入り、新宮市の王子ヶ浜、熊野市飛鳥町の森林環境整備、尾鷲市では尾鷲節の歌碑設置、花植栽などの活動を行ってきた。中平敦事務局長は「3月には新宮市の王子ヶ浜海岸で行政機関とも連携し新宮市職員、和歌山県職員の方々と清掃活動を行いました。吉野熊野国立公園内のため、環境省にも参加をお願いしましたが、都合により欠席との解答。今回も都合により欠席との解答で残念な思い。関係するすべての行政機関と官民が一体となった清掃活動を行いたいが、なかなか出来ないのが現状」と話していた。