三重県教育委員会は20日、令和7年度に木本、紀南高校が統合して誕生する紀南地域新高等学校の校名候補11案を公表した。候補に上がっているのは「紀南木本」「熊南」「熊野」「熊野青藍」「熊野灘」「七里御浜」「蒼海」「東紀州」「三重熊野」「三重南」「南牟婁」。同日夜、県熊野庁舎で開かれた令和5年度第2回紀南地域高等学校活性化推進協議会で委員らに説明した。
新高校の校名案については、紀南地域新高等学校校名選定委員会が10月7日から11月2日まで公募しており、728件362種類の校名案が寄せられた。今月13日、御浜町役場において非公開で開催された第2回同選定委員会で11案に絞った。
今後は11月末までに熊野市、御浜町、紀宝町の小学4年生以上の児童、中学生全学年の生徒、木本高校、紀南高校の生徒、東紀州くろしお学園の児童生徒(小学部4年生以上)の計2244人を対象に、1人1票で投票をしてもらう。12月中旬に第3回校名選定委員会(非公開)で校名候補を3案に選定。最終的には県教委が1案を選び、県議会の議決を経て年度内を目処に校名を決定、公表する予定。
今回公表された11案の名称と選定理由は次の通り。
▼紀南木本(きなんきのもと、三重県立紀南木本高等学校)=地域から親しまれている木本高校と紀南高校の両方の校名を残し、これまでの両校の歴史や伝統を引き継ぎながら、よりよい学校を作ってほしいという願いを込めた。
▼熊南(くまなん、三重県立熊南高等学校)=熊野市(熊野)と南牟婁郡(南郡)の子どもたちの多くが通う学校であることから、2つの地域の頭文字をとった。
▼熊野/くまの(くまの、三重県立熊野高等学校/三重県立くまの高等学校)=世界遺産の熊野古道や熊野灘など、すばらしい歴史と自然がある「熊野」に親しみと誇りを持ってほしいという願いを込めた。
▼熊野青藍(くまのせいらん、三重県立熊野青藍高等学校)=「青は藍より出でて藍より青し」のように、青い海に面した学び舎で、輝く「青春」を送り、故郷の誇りである熊野の海よりも広く大きな「青年」に成長してほしいという願いを込めた。
▼熊野灘(くまのなだ、三重県立熊野灘高等学校)=熊野灘に面している両校舎において、波が穏やかなときも激しいときも、太平洋のように広く大きな心を持ち、希望をもって大きく羽ばたいてほしいという願いを込めた。
▼七里御浜(しちりみはま、三重県立七里御浜高等学校)=熊野市、御浜町、紀宝町にまたがる海岸は、両校舎のつながりを感じさせる。果てしなく広がる雄大な景色を臨むこの地で、未来に希望を抱いてほしいという願いを込めた。
▼蒼海(そうかい、三重県立蒼海高等学校)=「蒼海」は熊野灘の大海原を表し、「蒼」は山の木々が勢いよく伸びていく様子も表している。響きもさわやかで、これからの子どもたちの未来にふさわしいと考えた。
▼東紀州(ひがしきしゅう、三重県立東紀州高等学校)=めざす学校像にある「美し国三重・東紀州の人づくり」を校名に掲げ、両校舎が一体となって、地域に親しまれ愛される学校となってほしいという願いを込めた。
▼三重熊野/みえ熊野(みえくまの、三重県立三重熊野高等学校/三重県立みえ熊野高等学校)=地域全体を表す「熊野」に、県外にある同名の高校と区別するために「三重(みえ)」をつけ、地域が一体となって子どもたちを育んでほしいという願いを込めた。
▼三重南(みえみなみ、三重県立三重南高等学校)=三重県で最も南に位置する高校で、「南」から連想される温かい心と光り輝く力を育まれた子どもたちが、地元はもちろん全国や世界でも活躍してほしいという願いを込めた。
▼南牟婁(みなみむろ、三重県立南牟婁高等学校)=南牟婁郡は、かつては御浜町、紀宝町だけでなく、熊野市の全域も含んでいた。「南牟婁」という美しい地名をつけることで、地域に根ざした学校となってほしいという願いを込めた。