最新の技術に驚きも 紀南高生が建設現場見学

 三重県立紀南高校の1年生10人が9日、熊野市と紀宝町で建設業の工事現場を見学した。ICT(情報通信技術)やドローンなど技術革新が進む現場への認識を新たにし、地域の安全の砦となる建設業への興味を深めた。

 三重県建設業協会が国土交通省や三重県熊野建設事務所と連携し実施。生徒たちは午前中に熊野市井戸町の七色峡線(瀬戸バイパス)改良工事、午後からは紀宝町で新宮紀宝道路紀宝南ランプ他改良工事の現場を訪問した。

 瀬戸バイパス工事現場では三重県熊野建設事務所や、施工業社・井本組の豊田太志さんらが工事について説明。現在行われている盛土工などについて「GPSで位置を把握しながら、厚さ30㌢ずつ締め固めています」などと説明を受けた。

 その後、最新の重機であるパワーショベルの運転操作を体験。土をすくったり、車体を前後に動かしたりして、興味津々の様子で操作していた。

 また、午後からは「一般国道42号新宮紀宝道路」の紀宝町側で行われている紀宝南ランプなどの工事現場を見学。生徒は道路の一部で、世界遺産・熊野川をはさんで紀宝町~新宮市にまたがる「熊野川河口大橋」(821㍍)を歩いたり、鵜殿地区で行われている道路改良工事の様子を聞いたりした。

 新宮紀宝道路は延長2・4㌔、幅員12㍍の自動車専用道路で、令和6年秋に開通予定。熊野川河口大橋はすでに連結しており、現在はこれにつながるインターチェンジ部分や周辺地域の道路改良などの関連工事が進んでいる。

 現場担当者からは、道路の開通によって▽輸送時間の短縮や緊急医療活動の支援▽渋滞緩和による地域相互の振興と発展▽台風等による土砂災害や南海トラフ地震等の地震災害時におけるネットワークを構築し、救命活動や地域振興支援ができる―といった効果が期待できると説明があった。

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