御浜町神木の小林良美さんが一般社団法人日本善行会の令和5年度秋季善行表彰「公共生活への貢献」に輝いた。表彰式は11月25日に東京都の明治神宮参集殿で行われる。
日本善行会は昭和12年に発足。東京都有楽町の日本交通会館内に本部事務局を持ち、北海道から沖縄まで76の支部があり、政治、宗教、思想を越えて明るい住み良い社会づくりへの善行を行っている人に、感謝の表彰を行っている。
小林さんは熊野市育生町で生まれ育ち、中学卒業後に山仕事に従事。その後、5年間、全国各地で学び新宮市の米穀店で勤務。23歳の時に神木で独立し、精米店をはじめ炭問屋、石油類、不動産など幅広い事業を軌道に乗せた。60歳頃からは地域社会への恩返しの取り組みを開始した。
現在88歳の小林さん。長年にわたり地域社会のために献身的に取り組み、行動力、発想力、発信力は極めて大きく、悠久の文化遺産を全国、世界へと発信。30年にわたり地域に桜や梅を植樹し、今年は「桜の里マップ」を作成。地域が誇る全国2位のイヌマキの巨木の周辺を整備し、お祭り行事へと発展させることに貢献した。地域の自然や文化を写真に収め、写真クラブを創設。熊野市紀和町の国指定の史跡「赤木城跡」が雲海に浮かぶかのような写真撮影に成功し「天空の城」として認知度を高めた。熊野古道の横垣峠整備の奉仕作業にも尽力。入口付近に自費で水車を設置し、古道宣伝の役目を担うなど、様々な分野で地域活性化に尽力している。
「年をとっても夢中になれるものがあると楽しい」と、人や物との一瞬の「一期一会」を大切にしたいと信念を持ち、若い人たちに活性化のための意見を求め「気づき」を「動き」へと変えてきた。小林さんは「人生やり切ることで楽しみも増え、気力も湧き元気になれる」と語る。これまでの功績が評価され、この度の受賞となった。