子どもの意見も参考に 10月上旬から校名公募 紀南地域新高校選定委員が初会合

 三重県立木本高校と紀南高校を統合し、令和7年4月に開校予定の新高校の校名に関する紀南地域新高等学校校名選定委員会の第1回会議が21日夜、熊野市文化交流センターで開かれた。10月上旬から約1ヵ月間、広く校名を募集。年度内を目処に校名の決定・公表を目指す。選定にあたっては子どもたちの投票も行い参考にしていく。

 同委員会は紀南地域に新高等学校を開校するにあたり、校名案を広く県民から公募し、応募のあった校名案を検討・審議するため設置された。学識経験者や教育、地域、学校関係者ら17人が委員を務める。

 初会合となった21日は県教委の大屋慎一教育政策課長が「新校開校にあたりしっかり考えなければならないのが校名の選定。学校で言えば看板にあたる。子どもたちから見た時、重みを感じる、ここで学びたいと感じるものを提供していきたい」と挨拶。今年4月から施行されたこども基本法では、子どもたちが意見を表明する機会などが保障されており、大屋課長は「子どもたちの思いや気持ちを校名選定に盛り込める形をとっていきたい」と述べた。

 引き続き、委員長に三重大学名誉教授の山田康彦さん、副同には紀南PTA連合会進路研究委員長の和田泰史さんを選出。山田委員長は県総合博物館「ミエム」の名称選定に携わった経験から「地域の皆さんの願いや希望の結晶が学校名になっていくと思います。校名作りは学校作りの出発点になる大事で責任の重い仕事。活発なご意見とご協力を」と呼びかけた。

 新校の概要を確認した後、校名選定の進め方や考え方、子どもの意見聴取、校名募集要項について協議した。

 校名選定の進め方は10月上旬から11月上旬にかけて公募し、11月中旬の同委員会第2回会議で10案程度に絞り込む。11月下旬に子どもの意見を聴取する予定で、12月上旬には第3回委員会で教育委員会に提案する校名候補(3案程度)を選定する。

 同委員会から提案された校名候補は教育委員会定例会で1案に絞り、県議会での議決を経て年度内を目処に決定・公表する予定。なお、第2回、第3回会議は非公開で行われる。

 校名選定の考え方としては、基本方針として新校の概要案を参照し、新しい高等学校にふさわしい校名とする。県内や生活圏の近い高校、企業・団体等の名称と区別しにくい校名は避ける。

 校名選定にあたり、委員会が大切にしたい思いについて議論が白熱。出席した全委員が発言し「生徒が誇りを持てる校名」「卒業生の想いも大切にしたい」「子どもたちの未来に繋がる夢や希望を感じる校名」「若い世代の目線で響きなどイメージ戦略の要素も大事に」「歴史や文化を大事にし、口ずさむと気持ち良い高校名」「長く親しまれる普遍性のある名前で、できる限り多くの地域、多くの人をカバーできるように」「これまでの2校を思い出しながら新たな未来の展望が感じられる名に」など多彩な意見がでた。

 また、こども基本法の趣旨を踏まえ、子どもの意見聴取の機会を設ける。校名案の応募に加え、第2回委員会で絞り込まれた校名案10程度に対し、児童生徒が投票を行うことで選定過程に参加。対象とする児童生徒や実施方法、投票結果の取り扱い等は第2回委員会で協議する。

 応募方法は二次元コードによる応募フォーム、はがき、FAX、Eメールを予定。なお、応募数によって校名が決まるものではないという。

 同委員会委員は次の皆さん。

 山田康彦(三重大学名誉教授)、森本健一(熊野商工会議所青年部幹事)、長山行文(文恵丸水産代表)、産屋敷道博(紀宝町商工会理事)、倉本勝也(熊野市教育委員会教育長)、本誠一(御浜町同)、西章(紀宝町同)、立嶋信雄(紀宝町立矢渕中学校校長)、中澤武(紀南PTA連合会会長)、和田泰史(同連合会進路研究委員長)、奥川大輔(同連合会進路研究副委員長)、道前涼太(県立木本高等学校PTA会長)、中嶋悦雄(県立紀南高等学校同)、森岡忠雄(県立木本高等学校同窓会会長)、田尾友児(県立紀南高等学校同)、福田英成(県立木本高等学校校長)、孝明(県立紀南高等同)

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