地域の悲願達成へまた一歩 総会で関係者が一致団結 東紀州に高速道路をつくる会

 「東紀州に高速道路をつくる会」は28日夜、紀宝町役場で第21回総会を開催。熊野川河口大橋が連結し、来年秋には新宮紀宝道路の全線開通が予定される中、地域の悲願である紀伊半島を1周する高速道路(近畿自動車紀勢線)の完成と地域を支える道路ネットワーク形成という総意を再確認、引き続き団結していく意思を示した。

 同会は東紀州地域や新宮市などから約200人の会員で構成。発足して21年目を迎える中、これまでの要望活動が実を結んで全線事業化が決定している。

 近畿自動車道紀勢線は勢和多気JCT(三重)~松原JCT(大阪)までの335㌔。交通アクセスの利便性向上による観光振興、地域間交流の促進、物流の効率化、さらに災害時には当地域唯一の幹線道路である国道42号に代わる命の道として様々な面で期待されている。未開通区間は①紀宝町~新宮市の「新宮紀宝道路」(2・4㌔)②熊野大泊IC~久生屋町までの「熊野道路」(6・7㌔)③熊野市、御浜町、紀宝町の3市町をつなぐ「紀宝熊野道路」(15・6㌔)④新宮市あけぼの~三輪崎までの「新宮道路」(4・8㌔)⑤那智勝浦町八尺鏡野(やたがの)~串本町鬮野(くじの)川までの「串本太地道路」(18・4㌔)⑥串本町サンゴ台~すさみ町江住までの「すさみ串本道路」(19・2㌔)―の6つ。

 国交省や県からの説明では、新宮紀宝道路周辺では本年度、埋蔵文化財調査や橋梁上部工事、公共移設補償などを推進。熊野道路は環境・水文調査や用地買収、紀宝熊野道路は用地幅杭設置や用地買収を行っているという。

 同会では今後も近畿自動車道紀勢線の早期整備と必要性を訴え、未開通区間の早期完成や工事着手、必要な予算確保などを国、県などに要望していく。廣畑勝也会長は各地で関連道路の整備が進むこの状況は、これまでの活動が実った結果だとし、「今後も多くの方々の強い声をいただきながら要望を継続していく」と意欲を見せると、来賓代表の谷川孝栄県議会議員は「この地域は12年前に大きな被害を受けましたが、いよいよ医療・災害に対応できる道路がつながってきます。先人方の思いを胸に、これからも開通に向けて頑張っていきましょう」と力を込めた。

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