熊野市の木本中学校(下古谷克典校長)は13日、同校区で防災フィールドワークを実施。全校生徒が自宅近くの避難所や防災倉庫内を確認し、防災講話にも耳を傾けた。
登校していない時間帯に震災が発生した場合を想定し、津波のリスクが特に高いと想定されている場所からの最寄りの避難場所とそこまでの経路を確認することで、命を守るための判断と行動をとりやすくすることや、地域の防災備蓄倉庫を見学して、緊急時の対応を取りやすくすることなどが目的。生徒たちはまず、登校時に校区内7ヵ所の避難所に分散して集合し、地域の防災関係者らから説明を受けた。
このうち、木本町切立地区の高城ミニ公園では、木本町自主防災協議会の中濱圭史会長らが備蓄倉庫について説明。「倉庫には懐中電灯や発電機、薬、担架、車いす、ヘルメットなど最低限の必要なものを用意しており、木本町内には7ヵ所に設置しています。炊き出し用のかまどベンチを設置している場所もあります。大規模災害時には地域の住民が生き抜けるよう、皆さんもぜひ協力してください」などと求めた。
その後、木本中体育館に場所を移し、熊野市防災対策推進課の須藤敬一さんが防災講話。紀伊半島大水害を振り返るとともに線状降水帯の仕組みや、大雨警報発令基準などを示して必要な備えを説明した。
また、地震や津波についても被害想定などを示し「まずは自分の命を守ることが一番。家具の固定や就寝時の備え、避難場所などについて家族と話し合って下さい。皆さんは地域防災にとって貴重な人材。災害時には自分の命を最優先に守り、そのうえで余裕があればぜひ助ける側に回ってほしい」などと求めた。
同校では今後、校区内小中学校合同の避難訓練などで、防災への理解を深めていくという。