「近畿自動車道紀勢線(熊野市~新宮市間)建設促進期成同盟会」(会長・西田健紀宝町長)は5日、紀宝町のまなびの郷で総会と事業説明会を開き、紀伊半島一周高規格道路網の早期全線開通に向け団結を強めた。
同会は熊野市、新宮市、田辺市、御浜町、紀宝町、那智勝浦町、北山村や関係団体などで構成している。総会に先立ち、紀宝町主催の事業説明会が行われた。
紀勢国道事務所、紀南河川事務所によると、近畿自動車道紀勢線に並行する一般国道42号熊野道路は、熊野市大泊町~同市久生屋町間の6・7キロ㍍。今年度は36億9千万円の当初予算で、関係機関との協議や環境・水文調査、用地買収、改良工、橋梁下部工、トンネル工を行う、用地については3月31日時点で進捗率が100%となった。
紀宝町神内から熊野市久生屋町間を結ぶ紀宝熊野道路は延長15・6㌔。今年度は8億円の予算で、地質・環境・水文調査、用地幅杭設置、用地調査・買収を予定している。3月末現在で全体の進捗率は約10%。区間には14の橋梁と7つのトンネルを施工する計画。
また、和歌山県側では、すさみ町~串本町間のすさみ串本道路(19・2㌔)は今年度、環境・水文調査、道路設計、公共移設補償、改良工事、橋梁上下部工事、トンネル工事を進める。串本町~那智勝浦町八尺鏡野間の串本太地道路(18・4㌔)は地質・環境・水文調査、道路・橋梁・トンネル設計、用地調査・買収、改良工事を推進。新宮市三輪崎~同市あけぼの間の新宮道路(4・8㌔)は今年度、環境調査、道路・橋梁・トンネル設計、用地調査・買収を進める。
熊野川河口大橋を含む新宮紀宝道路は新宮市あけぼの~紀宝町神内の2・4㌔。埋蔵文化財調査、道路設計、公共移設補償、改良工事、橋梁上部工事、道路設備工事、舗装工事を推進。来年秋頃の開通を目指している。
和歌山、三重県にまたがる奥瀞道路(Ⅲ期)も一日も早い供用開始を目指し、今年度は道路設計、改良工事、橋梁下部工事、トンネル工事を進める。
この後、総会が開催され、各首長や関係市町の商工会議所、商工会、観光協会などの代表者ら約50人が出席した。
西田会長は「地域の長年の悲願を達成するため、連携しより一層活発な事業を展開してまいります」と挨拶。祝辞に続き議事に移り事業計画などを承認。「南海トラフなど大規模災害時には、地域唯一の幹線道路である一般国道42号は津波による浸水などにより壊滅状態になることが確実であり、紀伊半島を一周する高速道路の全線開通が地域の悲願」などとする決議文を採択。令和6年秋の新宮紀宝道路開通、令和7年春のすさみ串本道路の開通に向けた着実な事業推進などを強く求めていくことを決めた。