熊野警察署(奥山幸伸署長)が新鹿町内で整備を進めていた新鹿警察官駐在所がこのほど完成。18日に開所式が開かれ、河上敢二市長や谷川孝栄県議、久保智市議会議長、濱重明市議、新鹿小・中学校の西村洋一校長、喜田裕一郎新鹿区長、熊野署協議会の前川直毅会長、地権者の鈴木卓さんが出席し、開所を祝った。業務は3月9日からスタートしており、前田雄也巡査長が子どもたちの登下校を見守るなど地域の安全をサポートしている。
旧新鹿駐在所は昭和57年に建築。海岸線を走る国道311号沿いにあり、老朽化に加えて高速道路の延伸で道路環境も変化したことから、熊野尾鷲道路の熊野新鹿IC近くで津波の心配もない高台へ移転した。
新しい駐在所は木造平屋建てで建築面積は78平方㍍。事務室と相談室、来訪者用トイレと居住部分からなる。2台分の駐車スペースを確保し、事務室や来訪者用トイレなどへ至る部分は全てバリアフリー仕様となっている。場所は新鹿小中学校のすぐ前とあって子どもたちの見守りなど地域住民の安全を守ることはもちろんのこと、熊野新鹿ICからもほど近いことから観光客や海水浴客らへの地理案内なども行う機会が増えそうだ。
開所式では奥山署長が「皆様方のご理解とご協力により素晴らしい庁舎を新築することができました。新庁舎はご高齢の方や車いすを利用される方にも優しい設計となっており、地域の安全と安心を確保するために全力を尽くす覚悟です」と挨拶。河上市長も「街なかに立ててほしいとの声もあったようだが、津波から公共施設を守ることも大切。大地震が発生すれば避難・救援・救護活動等に大きな役割を果たすことになり、小中学校の前、高速道路の出入り口であることからも、市としてもこの場所に建てて頂いたのは大変心強い。海岸部の安全安心のためにご活躍いただくことを期待しています」と述べた。
同駐在所で勤務する前田巡査長は「新鹿駐在所管内には823世帯・1364名の方が住まわれており、その方々の安全安心のまちづくりのために奮起していきたい」と謝辞を述べた。