熊野市はゴールデンウィークを前に、木本町に市学習体験交流施設「世界遺産熊野古道館」(仮称)をオープンさせる予定だ。昨年3月31日に閉館した紀南ツアーデザインセンター跡を活用。熊野古道に関する解説や展示を行うとともに、市の特色を生かした魅力的な体験型観光コンテンツを提供することで、観光客の滞在時間延長と満足度向上を図る。指定管理者は熊野市観光公社。
同施設は木本町の代表的な林業家だった初代奥川吉三郎氏が奥川家の私邸として明治20年頃に建設した旧家。2004年6月の熊野古道世界遺産登録に合わせ、紀南ツアーデザインセンターとして活用していた。
新しい施設となる「世界遺産熊野古道館」は、世界遺産熊野古道の歴史、自然及び文化並びに市の特産品等に市民が触れる機会を創出。市民の郷土愛の向上と観光客との交流促進による観光振興を図る目的で整備する。広い土間や縁側に囲まれた2間続きの座敷など歴史深さを感じさせる佇まいを活かしつつ、昨年度2638万1千円の事業費で世界遺産・熊野古道や熊野市の特産品などに触れて学べる展示・体験施設として改修した。
木造瓦葺2階建て(敷地面積811・77平方㍍)。1階では古道等の展示、体験、観光案内、情報発信コーナー等を設ける。歴史や文化に関する展示、体験、イベントなど市内外の人が熊野市に触れ、知ってもらうとともに、観光案内やパンフレット配置などにより観光客への情報発信やおもてなしを図る。2階は和室を活用し空き時間に仕事ができるような短時間向けのコワーキングスペースとして提供する計画。