難関の六段に合格 居合道 阿田和の平野さん(80)が快挙

 御浜町阿田和の自営業、平野英之さん(80)は、27日に東京都の足立体育館で開催された、居合道の昇段試験に挑み、見事「六段」に合格した。80歳という高齢での六段合格はまさに快挙。家族や友人らから祝福されている。

 六段の実技審査は、初段から五段までの基本や応用度の熟練度、鍛錬度、勝負の歩合に加え、「理合」、「風格、品格」という更に高度な総合的技術が必要となる。全国から約200人が挑み、半数以下の90人しか合格できなかったが、平野さんは上位の成績で合格した。

 平野さんは木本高校時代に剣道部に所属。卒業後は剣道を辞めていたが、62歳の時に阿田和公民館で居合をやっていた知人に勧められて始めた。その後、メキメキと上達し、五段まで取得した。しかし、難関の六段になるのは容易ではなく、岐阜県や富山県にいる上段者の元へ何度も修業に通い、鍛錬。一発勝負の今回の試験で修業の成果を発揮し、見事合格した。

 平野さんは「実は昨年、がんを患ってしまい、胃の全摘出手術など闘病生活を続けたが、なんとか乗り越えることができた。半年前から刀を振ることができるようになり、岐阜、富山の師匠のもとで鍛錬することができた」と話す。「次の目標は七段。この試験を受けるには六段になってから6年かかる。その時は86歳だが、まだまだ上を目指して精進したい」と力を込めた。

 平野さんの同級生で小さい頃から幼馴染の元三重県議会議員、萩野虔一さんは、「平野君は昔から努力家だったが、今もなお頑張っている姿を見て、同級生の1人として勇気と元気をもらっている。大病を患っても常に前を向いて闘い、乗り越えた。6年後の七段試験に向けて益々頑張ってもらい、同じような大病を患った方々や同世代の皆さんに元気を与えてもらいたい」とエールを送っていた。

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