日本一の迫力と呼び声高い熊野大花火の鬼ヶ城大仕掛けが18日、熊野市木本町の木本港周辺で打ち上がった。約17分間にわたり、熊野灘の上空に無数の花が開く「彩色千輪」や轟音と風圧を伴う鬼ヶ城での地爆など、大迫力の花火が観衆を魅了した。
熊野大花火大会が新型コロナウイルス感染拡大防止のため3年連続で中止となる中、苦境に立つ地元唯一の花火業者・和田煙火店を支援し、初精霊供養花火など伝統を守っていく観点から、市観光協会(中平孝之会長)が「伝統花火存続のための打上花火」を計画。県内外から約1660万円の寄付が集まった。
熊野市内では夕方からマイカーなどで花火客が来場。木本小学校など7ヵ所に設けられた臨時駐車場も次々と満車が告げられた。
午後6時30分、夜空に無数の花が彩った。磯場はまるで噴火口。鬼ヶ城大仕掛でも人気の「彩色千輪」が眼前に開くと観客から吐息が漏れた。豪華絢爛の花火が次々と打ち上げられ、体を震わせる圧倒的な轟音、風圧の大玉も連発され、観客からどよめきが起こった。
約17分間の打ち上げ花火を楽しんだ観客らは「これぞ熊野大花火。感動しました。日本一の迫力に偽りなし」と大満足。市観光協会の中平会長は募金協力者や花火設置に尽力した木本奉仕委員会など多くの支援に感謝し「何事もなくこの日を迎えられ、沢山の観客に楽しんでもらえた」と成功を喜んだ。
見事、3年ぶりとなる鬼ヶ城大仕掛けを完遂した和田煙火店の和田加子社長は「皆さんのありがたいご支援に感謝するばかりです。募金に協力して頂いた皆様、打ち上げ花火にご支援頂いた皆様に感謝申し上げます」と話した。