紀南地域高等学校活性化推進協議会(会長・平山大輔三重大学教育学部教授)の令和4年度第4回会議が8日夜、県熊野庁舎で開かれた。9月に実施した中学生や保護者を対象にしたアンケート結果を議論。木本、紀南高校の統合問題を含めた方向性について、当初は12月中に一定の方向性をまとめることとしていたが、期限を今年度中に延ばした。
同協議会は紀南地域の高校の特色化・魅力化を図り生徒にとって魅力ある学習環境を整備するため行われているもの。学校や地域代表者ら20人が委員を務める。令和7年度に木本、紀南高校で1学年5学級規模になることが見込まれることから、統合問題も含め協議が続いている。
今回の協議会では9月に中学生や保護者に実施した紀南地域の県立高校に関するアンケート調査結果が報告された。それによると、熊野市・南牟婁郡の中学2年生262人を対象にしたアンケートは回収率91・6%。中学生は「高校を選ぶ時に重視すること」の設問は「通学しやすい」(31・3%)や「進学や就学など多様な進路に応じた学習の選択ができる」(30・4%)との答えが多かった。高校での1学年あたりどの程度の学級数規模が良いかという設問では、多い順に1学級27・9%、2学級27・1%、3学級26・3%、5学級10・8%、4学級7・9%。1学年1~3学級の学校で学びたいと考えている生徒が多い。一方で学級規模を問わず、学びたいと思う学級数を選んだ理由は「友だちや先輩、先生など、多くの出会いがあると思うから」が57・5%が最多だった。
保護者を対象にしたアンケートは熊野市・南牟婁郡の中学1、2年生全員の保護者486人を対象に、85・4%の回収率。保護者は学校を選ぶ時に重視することは「進学や就職など多様な進路に応じた学習の選択ができること」(65・1)が最も多かった。令和7年度の紀南地域の高校のあり方については44・6%が「2校を統合した学校で学ぶ(1校5学級)」。35・9%が「統合せずに、それぞれの学校で学ぶ(1校3学級、1校2学級)」。9・9%が「2校を統合して1校を分校とし、2つの校舎で学ぶ(本校3学級、分校2学級)」、3・6%が「2校を統合して1校を分校とし、2つの校舎で学ぶ(本校4学級、分校1学級)」を選択した。
アンケート結果からの議論では、生徒は多くの友達や先生との出会いを期待している一方で、学級数規模が少ない方を望んでいることへの疑問が出た。保護者の約45%は高校統合を選択しており、保護者と生徒の意見のねじれも確認された。
平山会長は「アンケートが全てで多数決の結果ということはありませんので、これを活かして次どうするのか、保護者の声やこれまでの議論を大事に、どういった高校の在り方が望ましいか、ギリギリまでしっかり議論したい」と締めくくった。次回の協議会は12月中下旬の開催を予定している。