車いすの介助も練習 井戸小6年生が福祉体験

 熊野市井戸小学校(道中朋孝校長)で21日、福祉体験学習が行われ、6年生が車イス利用者や視覚障がい者、バリアフリー社会への理解を深めた。

 「熊野市身体障害者(児)福祉連合会」の森岡寛佳会長や、紀南視覚障害者福祉会の洞良夫会長、熊野市社会福祉協議会の職員が同小を訪問。児童たちが元気よく挨拶した。

 はじめに洞会長が視覚障がい者には全く目が見えない全盲と、少し視力などが残る弱視があることを話した。洞会長は30歳で目の病気を発症し、視力は少し残っているものの、視野が10分の1以下に狭まっているという。洞さんは盲学校であん摩や針の資格を取得し、現在、介護施設でリハビリの支援をしており「目が悪くなったから働けない訳ではありません」と、リハビリやヘルスキーパー、機能訓練士などの仕事を説明した。

 引き続き、市身障連の森岡会長が講話。交通事故で下半身が不自由となった森岡さんは仲間たちとのリハビリなどの思い出を話し「20歳の成人式は欠席しようと諦めていた。でも、友達が支えるから皆で行こうと言ってくれた。これほど嬉しい言葉はなかった」と振り返った。入院、リハビリなど支えてくれた多くの人達への感謝を語った。森岡会長は車を運転し色々な場所にでかけていることや、最近は車いすバスケットに挑戦していることも紹介。子どもたちに「色々なことにチャレンジして」とエールを送った。

 この後、6年生たちは目隠しをしてのブラインドウォークや、車いすを体験した。ブラインドウォークでは友達の支えを受け段差などを乗り越えた。車いすの利用者は、ほんの少しの段差やくぼみなどでも大きな障害となることを、身をもって確認。生徒たちは体験活動を通じて、バリアフリーの必要性や介護する側、される側の人との関わりの大切さなどを学び、考えを深めていた。

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