秋の夜空に彩色千輪を 寄付金総額は約1660万円 熊野市観光協会 多くの協力に感謝

 11月18日(金)に「伝統花火存続のための打上花火」を開催すべく熊野市観光協会が8月1日から募ってきた寄付の受付が9月30日に終了。7日、熊野市観光案内所2階で中平孝之会長が会見を開き、寄せられた寄付金の総額が1658万6279円に上ったことを発表し「目標の1500万円を上回る額を頂き、改めて御礼申し上げたい」と感謝した。

 コロナ禍で3年連続熊野大花火大会が中止となり、この地方にも様々な影響が影を落とすなか、300有余年の伝統を誇る熊野大花火で毎年フィナーレを飾る鬼ヶ城大仕掛けを手掛けている和田煙火店も苦境に直面している状況を受け、熊野市観光協会として地元唯一の花火業者を支援し、伝統を守っていく観点での打上花火を計画したもの。

 協会では市内外から寄付を募り、宿泊施設や道の駅、観光協会会員の店頭など17ヵ所へ募金箱も設置。寄付は関東や中部、近畿、九州などの地元出身者や花火ファンから寄せられ、遠くは中国からの寄付もあったという。

 中平会長とともに会見した熊野大花火大会花火研究部会の金本弘会長によると、これによって打ち上げられる花火は午後6時半開始で15分程度の小規模なものながら、彩色千輪や打ち上げ花火、鬼ヶ城磯を轟かせる地爆花火など「鬼ヶ城大仕掛け」を彷彿とさせる内容になる見込み。観覧場所は七里御浜海岸とし、入口ゲートでマスクの着用を呼び掛けていく。駐車場等については後日発表とし、この地域ではZTVが生中継。また、会場に来られない方のために、YouTubeでの公開も予定しているという。

 中平会長は「木本奉仕委員会の協力によって鬼ヶ城磯での花火も可能となり、大変ありがたい。他所に住む出身者の地元を盛り上げてほしいという思いや、花火文化を残してほしいと願うファンの熱意には感謝しかありません。期待に応えられるよう準備を進めていくので、15分間食い入るように楽しんでもらえれば」とコメント。金本さんは「これだけの金額を寄せていただいた。秋の花火は空気が澄み、音が良くて色も綺麗。安全で皆さんの期待に応えられる花火を上げたい」と思いを新たにした。

 なお、11月は熊野市も4、11日に「花火のまち熊野観光PR花火」を予定しており、11月は3週連続で金曜日に花火が打ち上がる。

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