10月2日(日)に執り行われる熊野市有馬町、花の窟神社例大祭に向け18日、同神社周辺で町民らが大しめ縄作りに励んだ。参拝者の手でご神体である巨岩の大注連縄を張り替える「お綱掛け神事」は3年ぶりの開催とあって、氏子らがコロナ収束などの願いも込め縄を編んだ。
同神社の例大祭は毎年2月2日と10月2日にあり、五穀豊穣などを祈念して毎回、ご神体の巨岩の大しめ縄を張り替える。これは「お綱掛け神事」と呼ばれ、県の無形文化財にも指定されている。新型コロナウイルス感染症の影響により、令和2年秋以降、例大祭の神事のみでお綱掛け神事は取りやめていたが、3年ぶりに復活する。
台風14号の風雨が心配されたため、氏子らがあらかじめ準備作業を行ってきた。18日は氏子はじめ当番の羽市木、上地、清水川、堀池、中里、千歳地区の住民、町内外からの有志らが参加。風雨をしのいで作業を行うため、羽市木の倉庫で使用する藁を選別するわらスグリ、お綱茶屋でわら打ち、お綱茶屋側の倉庫で縄ないと、実施場所を分けて作業した。
縄ない場所ではほぐされたわらを太さ約3㌢、長さ約170㍍の大縄7本になえた。7本の大縄は例大祭前日に1本にまとめられ、お綱掛け神事の大注連縄が完成する。
同神社の山川均宮司によると、全国的に神事が行われるようになってきたため、総代と協議し、お綱掛け神事の開催を決断。例大祭当日は密を避けるため、人数制限を行うなどして神事を執り行うという。作業に参加した氏子らは「久しぶりのお綱掛け神事で神様も喜んでくれると思います」と話していた。