熊野市紀和町の丸山千枚田で11日、オーナーらによる稲刈りが行われた。オーナーらが美味しい新米を楽しみに、収穫を体験した。
農林水産省の「つなぐ棚田遺産」でもある丸山千枚田は1601年には2240枚あったと記される。平成5年には530枚まで減少したが、地域住民らが「丸山千枚田保存会」を結成。多くの応援を得て、現在は1340枚まで復元している。オーナー制度は棚田保全などを目的に平成8年度から導入された。令和4年度のオーナー数は137組789人。
11日は県内外からオーナー50組224人をはじめボランティアやスタッフなど約340人が参加。平成21年に紀和ふるさと公社が農村活性化人材育成事業で受け入れた相模女子大学の学生らも訪れた。
受付を済ませたオーナーたちは、早速、自分の田へと向かった。千枚田保存会(喜田俊生会長)やボランティアスタッフから説明を受け作業。子どもたちも、足をからめる泥や顔をくすぐる稲穂にはしゃぎながら稲刈りに励んでいた。
午前10時30分からはセレモニーがあり、河上敢二市長がオーナーや千枚田保全に携わる人達に感謝を述べ挨拶。今年の米は三重県の新品種「なついろ」を使用していることも語り、おにぎりなどに最適な特徴などをPRした。河上市長はエレコム株式会社との連携により、丸山千枚田を守るための活動に加え、更に復田を進める〝攻める〟取り組みも示し、保全活動への協力を呼びかけた。
鈴木英敬衆議院議員の祝辞や来賓紹介に続き、オーナーを10年継続している紀の川良子さんら4人に感謝状を贈呈。かかしコンテスト入賞者の表彰も行われた。
大阪府から稲刈りの集いに参加した児童は「収穫したお米を食べるのが楽しみ」と笑顔をみせていた。