新田工事は令和6年から 熊野道路第1トンネル 木本地区で住民説明会

 熊野市民会館で26日夜、木本地区住民を対象にした国道42号熊野道路・熊野第1トンネル工事説明会が開かれた。トンネル貫通は令和6年8月頃を予定しており、木本町新田地区では令和6年から本格的な工事がスタートする見通しが示された。

 21日の大泊地区に続いての開催。木本自治連合会の中濱圭史会長が「高速道路が大泊、井戸と自分たちの目で点が見えてきた」と述べ、有意義な時間となるよう呼びかけた。紀勢国道事務所の田口智之工務課長は「トンネルは大泊側から木本の方向に掘削を進める計画。工事の安全はもとより、近隣地域の環境にも十分配慮して早期完成に努めてまいります。近隣の皆さまとしっかりコミュニケーションを取りながら工事を進めたい。ご理解とご協力を賜りますようお願いします」と挨拶した。

 まずは紀勢線推進室建設専門監の柴田秀史さんが熊野道路の概要を説明した。熊野道路は大泊町から久生屋町を結ぶ6・7㌔の自動車専用道路。平成26年度に事業化された。道路規格は片側1車線、設計速度は時速80㌔。現在、大泊地区で進んでいる橋脚の下部工は残すところ、トンネル手前の橋台の下部工となっている。

 引き続き、施工業者のアイサワ工業から第一トンネルの概要を示された。第1トンネル工事は工事延長927㍍、トンネル延長866㍍。令和5年7月から掘削を開始し、同6年8月頃に貫通予定。騒音対策としては適宜、騒音測定を実施。堀り初めから40㍍は発破を使わず機械掘削で進める。発破騒音の大きさの目安としては、昼間は車両の音程度の100デシベル、夜間は電話のベル程度の70デシベルを想定しているという。

 意見交換会では新田町内会長の糸川元さんから、同地区での工事開始の見通しや、高校生や地元住民たちの安全確保を求める声がでた。紀勢国道事務所によると、新田地区の工事は具体的な日にちはまだ示せないが令和6年頃から工事車両が入る見込み。木本側の工事は市道の付け替えや井戸方面へと抜ける第2トンネル前の盛り土など。工事に際しては安全に十分気をつける。トンネルを掘った土は大泊側から国道42号、311号を通って金山、有馬の熊野インター(仮称)付近へと運ぶ。ダンプ運行は1日30台5往復で、述べ150台という。

 住民からは「災害対応や命の道。一日も早い完成を」や「騒音計測器などの対応を」などといった声も。盛土の影響による西郷川の氾濫を心配する声もあり、中濱会長は「地元は工事よりもトンネル開通後が不安。住んでいる人間でないと分からないことも多い。町内会長など地域住民を交えて話をしてもらうと安心すると思う。地域の意見を吸い上げて」と訴えた。紀勢国道事務所からは「地域としっかりコミュニケーションを取って工事を進めたい」と返答があった。

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