アカウミガメの上陸・産卵シーズンが始まった1日、紀宝町ウミガメ保護監視員らによる海岸パトロールがスタート。4年ぶりのウミガメ上陸に期待を込め、7月いっぱいまで七里御浜海岸(井田海岸)を見回る。
パトロールは、旧紀宝町時代にウミガメ保護条例ができた昭和63年から実施。シーズン中、保護監視員やウミガメ公園の飼育員が毎日交代で海岸を歩き、上陸や産卵の形跡がないかを調査する。
初日は保護監視員の萩野進也代表、ウミガメ公園のスタッフ、町職員らで実施。海岸のごみ拾いと並行してパトロールを行った。また、3ヵ所の定点観測所では波打ち際までの距離も測定。70~80㍍ほどで昨年と概ね同じ数値だった。
ごみの量自体は年々減少してきているが、海岸は砂利が多く産卵に適した状態の砂地も減少。現在の井田海岸は台風などの高波により海岸部が浸食され、流されてきた砂利が面積の大半を占めている状態。伊藤飼育員によると、ウミガメが産卵するには柔らかく深さ50㌢ほどの砂地が必要だという。萩野代表は「ウミガメが上陸、産卵できる環境を維持しなければ」と話した。
なお、町はシーズン中の毎週土曜日午後8時からパトロールに協力してくれる一般参加者を募っている。1回だけの参加も可能。希望者は、参加したい日の前の開庁日までに役場企画調整課に連絡(電話0735・33・0334)する。中学生以下は保護者同伴。雨天中止。