御浜町阿田和の阿田和神社(宮地秀直宮司)は10日、春季例大祭を斎行。2年前からコロナ禍を鑑みて規模を縮小、戦没者慰霊祭と神事のみ行われているが、今年は地元活性化グループ「阿田和交流会」(奥地孝弘会長)による獅子舞奉納が3年ぶりに復活。境内で獅子が激しく舞い、祭りを締めくくった。
同神社では春と秋に例大祭を実施しており、阿田和交流会が中心となり神輿の練り歩きや獅子舞奉納などが行われ、境内は出店で賑わい、締めくくりは餅まきが盛大に行われるが、一昨年から新型コロナウイルスの影響で中止になっている。神社関係者らは今年こそはと期待を寄せていたが、未だ状況が改善されないため規模縮小での実施となった。
例大祭に先立って行われた慰霊祭では、遺族会や総代らが戦争で犠牲になった英霊を追悼。続く神事では、拝殿奥の神殿の扉を開帳して神饌(しんせん)が供えられると、宮地宮司がコロナの終息、地域の安寧や商工業の振興を願って祝詞(のりと)を捧げた。その後、地元阿田和小学校6年の木下里彩さんと時田乃々葉さんが浦安の舞、続いて阿田和交流会が獅子舞を奉納。交流会メンバーによる力強く優雅に舞う獅子の姿や、獅子舞の演目の一つ「寝獅子」に出演した和田晃季君、湯浅常太郎君、宇井健君(いずれも阿田和小3)に大きな拍手が送られた。
宮地宮司は「コロナが3年も続き、非常に辛い時代ではありますが、これから良くなると希望を持ちたい」と挨拶。また、宮地宮司は三重県神社庁南紀支部長に就任したことも報告。「阿田和神社の祭りや文化を次の時代に渡せるようにしたい」と話した。