三重県神社庁南紀支部(山川均支部長)は11日、同支部の深山神社(山東美晴宮司)が熊野市久生屋町の同神社敷地内に整備した「永代慰霊奥津城(えいだいいれいおくつき)」の完成奉告祭を斎行。神社関係者らが参列し、完成を祝った。
生活環境の変化や都市部への人口集中等により、この地方でも核家族化がやむを得ない状況でお墓の維持管理が難しくなっているなか、同支部には「神道で永代慰霊ができないか」との要望が多く寄せられていた。そこで様々な方策を検討していたところ、同所で深山神社に対して土地提供の話があり、久生屋区住民らの協力も得られたことから全国的にも珍しい神社神道の永代祭祀を行う「永代慰霊奥津城」の造成建立に至ったもの。奥津城とは神道式のお墓を指す。
完成した奥津城は敷地面積135平方㍍に石碑を建立。整地は山田建設が、石工は湊石材店が請け負った。前方の支障木を伐採したことで日当たりや眺望が良く、後方には深山神社が祀る天神様と猿田彦神社大神、明治以降の戦死者を祀る御霊神社の遥拝所もある。
奉告祭は阿田和神社の宮地秀直宮司が祭主、飛鳥神社の西村勇三宮司が祭員を務め、山川支部長や山東宮司、深山神社責任役員の執行昇明さん、三重県神社総代会南紀支部の西浦虎夫支部長、濱地源大副同、施工業者らが参列。宮地宮司が祝詞を奏上し、参列者が玉串を捧げて完成を祝った。
山川支部長は「神道での永代慰霊への要望は多く、色々な要素が重なって深山神社によって境内へ造成建立していただきました。様々なご協力を頂いたことに心から感謝申し上げます。祖父母、父母らのお墓をお守りしていくのが本来の姿でありますが、この奥津城の完成により身寄りがない、都会への引っ越しでお墓を守れないという方のお役に立てれば。支部の皆様には維持管理にご協力を」と謝辞を述べた。
永代慰霊についての問い合わせは大馬神社(0597・89・3247)まで。