熊野市有馬町、花の窟神社(山川均宮司)の春季例大祭が2日、厳かに営まれた。新型コロナウイルス感染拡大防止のため「お綱掛け」は中止となり、神職や総代らの参列で神事のみの斎行。新型コロナウイルスの終息を願い、神職によって大祓の祈祷が行われた。
日本書紀に神々の母イザナミノミコトが葬られていると記される花の窟神社は、熊野灘に向かってそびえる高さ約45㍍の巨岩がご神体。毎年2月2日と10月2日の例祭では、氏子や町民らがもち米のワラで編み上げた大しめ縄を新しいものに交換する「お綱掛け神事」が県の無形文化財に指定されている。しかし、新型コロナウイルス感染対策として、2020年秋の例大祭から大勢の参拝者が参加するお綱掛けはとりやめとなっている。
神事はお綱が張り巡らされた境内で営なまれ、山川宮司が祝詞を奏上。舞姫を務めたいずれも有馬小学校5年生の赤土優さんと高見杏さんが浦安の舞を、和田桃果さんと武田智沙さんが豊栄舞と乙女の舞を奉納し、参列者が玉串をささげた。
神事終了後、参列者が境内に張り巡らされたお綱に触れて祈りを込める光景も見られた。神社関係者は「お綱に触れることで神様とつながり、御神徳を頂くことができます。今後はそのままにしていますので、参拝された後はお綱に触れて御神徳を頂いてください」と話していた。