“恵みの雨”降る中、厳粛に 阿田和神社春季例大祭 獅子舞と太鼓の饗宴も

 阿田和神社で13日、春の例大祭が斎行された。雨天のため地域活性化に取り組む「阿田和交流会」(芝野雄一会長)が取り仕切る「ちびっこ神輿」と「子ども神輿」は中止になったものの、境内で予定されていた奉納演芸会は阿田和公民館で実施。地域住民が集まって熊野鬼城太鼓の演奏、カラオケ、楽器、踊りなどで賑わい、最後は餅・菓子まきで締めくくられた。

 最初に行われた慰霊祭には遺族会や総代らが参列し、先の大戦で犠牲になった英霊を追悼。続く神事では、拝殿内に神饌(しんせん)が供えられると、宮地秀直宮司が地域の平安や商工業の振興や豊漁を願って祝詞(のりと)を捧げた。その後、舞姫で阿田和小学校6年の下川愛空さん、5年の森倉舞さんが浦安の舞を奉納。稽古を重ね、本番で見事に役目を果たした。神事後は拝殿内で交流会が獅子舞の演目のひとつ『花がかり』を披露した。

 午後は公民館に場所を移し、奉納演芸会。熊野鬼城太鼓の演奏で開幕すると、雄々しい太鼓の音に乗って雄(おんた)と雌(めんた)の獅子舞が登場し、饗宴を果たした。交流会は獅子舞の全8演目①『門付け』②『剣の舞』③『神明賛(しんめさ)』④『乱獅子』⑤『神来舞(しぐるま)』⑥『弊の舞』⑦『花がかり』⑧『寝獅子』を披露した。①~⑥までは雌獅子による演目で、阿田和中学校出身で三重高校1年の和田宗泰さんが演じた。ラストの『寝獅子』は、阿田和小3年の田中寛玄君(天狗役)、野田耕平君(ひょっとこ役)、山門蒼輝君(おかめ役)、雄獅子に剣をくわえさせて場を納める「剣持ち」役の野田一成君(1年)が立派に大役を務めた。

 神社総代会の畑中時男会長は「水不足で田植えができないと聞いており、あいにくの雨ではなく〝恵みの雨〟となりました。この地域では大地震が懸念されますが、過去にも地震があった時は神社を中心に、まちの人と協力して乗り越えてきました。今日の祭りを通じ、改めて地域の絆を確認できました」と挨拶。宮地宮司はこれに同調し、「みんなが集まるこの日だけが雨が降った。良いことの兆しだととらえてくだされば」と話した。

 なお、交流会から会長が3代目・芝野雄一さんから4代目・端地祐さんにバトンタッチすることが報告された。

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