三重県立木本高校と紀南高校を統合し、4月9日に開校する新しい県立高校「熊野青藍高校」の校歌と校章が決まった。校歌は新世紀エヴァンゲリオンシリーズをはじめ多くのヒット曲を手掛けてきた及川眠子さんが作詞、大森俊之さんが作曲。校章は木本、紀南両校の思いを引き継ぐ観点で、両校在校生からデザイン案を募集し決定した。14日、熊野青藍高等学校ワーキング会議のワーキングリーダーを務める福田英成木本高校長、孝明紀南高校長が記者会見し、内容を明らかにした。
熊野青藍高校が目指す学校像は「持続可能な社会の一員として、ふるさとを想い、未来に希望を持って幸福を実現する人材を地域とともに育てる『開かれた学校』」。校歌、校章の制定は同ワーキング会議が「熊野青藍高等学校校歌・校章制定委員会」を設置。両校の学校長や同窓会長、教頭、ワーキング会議総務部会員が5回会議を重ね検討してきた。
校章のデザインは両校の生徒からデザイン案を募集し、集まった18点から4候補に絞り込み、生徒による投票(総数624票)から最終案を選出。その案を元に業者に作成を依頼した。海をイメージするため、ひし形の下に水平線を描いた。周りには青のイメージから水しぶきをデザイン。左上には地域の特産物であるみかんの葉をあしらえた。
校歌をプロデュースした及川さんは和歌山県出身。Winkの『愛が止まらない』『淋しい熱帯魚』、やしきたかじんの『東京』はじめ、新世紀エヴァンゲリオン主題歌『残酷な天使のテーゼ』『魂のルフラン』など多数のヒット曲を手掛ける。また、作曲した大森さんはアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のオープニング『残酷な天使のテーゼ』などの編曲を手掛け、映画版テーマ『魂のルフラン』を作編曲。アニメ「ジョジョの奇妙な冒険第2部」のオープニング曲『Bloody Stream』などを作ってきた。
及川さんらは昨年11月にこの地方を訪問。両高校の様子や鬼ヶ城、獅子岩、道の駅、神内神社、引作の大楠、丸山千枚田などを巡った。及川さんは以前からプライベートでも熊野を訪れ愛好しているという。2人は4月9日に紀南校舎(紀南高校)で挙行される開校式・入学式にも出席する予定。
福田校長は校歌について「熊野の大地や七里御浜など地元の地名が入っていて地域をイメージしやすい。曲調も元気が出るようで、これから前に進んでいこうという気持ちにさせてくれる。耳に残り、生徒も口ずさみやすいものになった」。校長は校章に関し「熊野の海や紀南のミカンを連想させるものが入っていて、両校の良さを一つにまとめたものと感じている。躍動的な水しぶきを感じさせるような、若者のエネルギーに満ち溢れたデザイン」とそれぞれ感想を語った。