きなん小中学生俳句コンクール 疋嶋さん(矢渕中)、杉谷さん(飛鳥小)最上位賞を受賞 臨場感、情緒ある句に感動

 県立紀南高校による「第7回きなん小中学生俳句コンクール」の入賞作品20点がこのたび決定。最上位である紀南高等学校長賞には、紀宝町立矢渕中学校3年の疋嶋美拓さんが詠んだ『かぶりつく 笑顔な姉妹 赤トマト』、熊野市立飛鳥小学校6年の杉谷龍人さんが詠んだ『ときょうそう むねがたかなる 五びょうまえ』が選ばれた。紀南高校の孝明校長がこのたび、受賞者を訪ねて表彰状を贈った。

 県内初のコミュニティスクールである同校の取り組みの一環で、地域の児童生徒が俳句づくりを通じて表現力を高め、豊かな感性を育むことが目的。「夏から秋へ移りゆく季節の中の風景、動物、草花、行事、遊びなど、見たり感じたりしたこと」をテーマに、今年度は熊野市・南牟婁郡の小学校11校187人から316句、中学校7校322人から570句の応募があり、御浜町俳句会の審査のもと小中学校から10句ずつ入賞作品を選出した。

 最高位にあたる紀南高等学校長賞に選ばれた疋嶋さんの句は、妹と一緒に大好きなトマトを丸かじりする毎年夏の恒例行事を思い浮かべて作ったという。

 また杉谷さんの句は、一等を目標として練習に励んだ徒競走を思い浮かべ、スタート前の緊張感を表現した。

 校長は疋嶋さんの句を「姉妹の笑顔、トマトの香り、夏の暑さなどとても鮮明に思い浮かんでくる」、杉谷さんの句を「感性が素晴らしい。平仮名からそわそわする緊張感が見て取れ、五だけを漢字にして強調することで、五秒という時間が圧倒的な臨場感を伴って迫ってくる」とそれぞれ評価。受賞を受けて、疋嶋さんは「まさかもらえるとは思っていなかったのでとても嬉しいです」、杉谷さんは「嬉しいです」とそれぞれ語った。

 なお、矢渕中からは疋嶋さんのほか、奥西優奈さん(3年)が紀宝町ウミガメ公園賞、松田風翔さん(3年)が優秀賞、三石琴葉さん(3年)が同高校の生徒会特別賞を受賞した。松田さんは小学5年時に生徒会特別賞、6年時に紀南校長賞を受賞しており、今回が3回目の入賞ということで、今回特別に奨励賞も受賞した。

 入賞作品は今後、道の駅「紀宝町ウミガメ公園」に展示する予定だという。

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