東紀州のポータルサイトとして21年間、地域の魅力や情報を発信してきた東紀州ほっとネット「くまどこ」が今年３月未明をもって終了する。２００４年５月１日から今年２月５日午前８時30分現在の総アクセス数は２億２８３８万６９６件に上る。インターネットを通じ、熊野古道を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録前から東紀州の魅力を世界に伝えてきた「くまどこ」の功績は大きく、終了を惜しむ声が出ている。
ポータルサイト「くまどこ」は２００４年３月に設立された特定非営利活動法人「東紀州 ＩＴコミュニティ」が運営。ＩＴ基盤を活用し地域の「にぎわい」を生み出す三重県の「東紀州にぎわいネット事業」をベースに、地元住民らが２００２年度に組織を発足。ポータルサイトの構築や検討を重ね２００３年12月に運営がスタートした。
熊野古道や観光情報、イベント情報、店舗・施設情報、暮らしの役立ち情報、ホームページの作成指導コーナーなど内容盛り沢山。地元をはじめ、他地域に住む郷土出身者にとってかけがえのない情報源として親しまれてきた。
発足当初は県の助成があったが、２００６年度からは補助が切れ、自主運営によって継続した。サイトの有益性から有志企業がバナー広告などで支援。スタッフが無償で東紀州の情報を発信し続けてきた。
「くまどこ」では今年２月３日付でサイト上に「くまどこから重要なお知らせ」として、３月未明でのサイト終了を告知した。理由としては、古くなったサーバのサポートが終了。新しいサーバへの移行による継続を試みたが、プログラムも古く、移行にはプログラムの修正が必要なことが判明。修正できるメンバーも今は多忙なため、相談した上で諦めることとなった。
また、Ｇｏｏｇｌｅなどのロボット検索が現在のサーバに負荷をかけ過ぎるため、今はＧｏｏｇｌｅのロボット検索を入れないようにする処置がサーバ会社から行われており、昨年後半から検索にかからない状態になっているという。
「くまどこ」では「21年間、取材や撮影などにご協力いただきありがとうございました。また、イベント情報などにご投稿いただきありがとうございました。紀北町から紀宝町まで、いろんなイベントに参加し、この地域の祭事や歴史、文化に触れ、私の住んでいるまちの美しさや人の温かさに多く触れることのできた21年でした。『くまどこ』に蓄積された内容は、もうここでしか見られないものも多くあります。いつかどんな形になるかわかりませんが、先人の人たちがおこなったイベントやいろんな記録を見られるようにできればと思っています。ボランティアで今まで関わってくれたくまどこスタッフのみなさん、ご協力いただいた多くの方に感謝いたします」とお礼を述べている。「くまどこ」のＵＲＬは次の通り。
