自分らしく生きよう 木本高校人権フェスティバル

 三重県立木本高等学校(福田英成校長)で18日、2024年度木本高校人権フェスティバルが開かれた。生徒たちがクラスの学習成果発表と講演会を通じて人権や自分らしく生きる意識を高めた。

 同フェスティバルは学年やクラス別に行っている人権学習をそれぞれ共有しようと毎年行われている。第1部は多目的ホールで人権学習などの発表が行われた。

 はじめに福田校長が「それぞれ学んだことや活動したことを発表しみんなのものにし、一つの学習を何倍もの成果につなげて」と挨拶した。引き続き、各学年の人権委員が中心となって、人権学習や被災地復興ボランティア参加報告、牟婁地区県立学校生徒交流会及び地区別人権学習活動交流会の成果を披露した。

 1年生はSNSでの情報発信や、写真・動画をアップロードする時に個人情報が流出する危険性などを発表。「SNSでの発言に責任が取れるか、無意識に誰かを傷つけていないか。写真を上げることには危険が多く含まれている。自分の発言に責任が取れるかを考えなければならない」と呼びかけた。

 第2部は体育館に会場を移し、全校生徒が伊賀市でパートナーシップ宣言を行い暮らしている嶋田全宏、加納克典さんの講話に耳を傾けた。嶋田さんらは2016年に大阪から伊賀市に移住しパートナーシップ宣言をした。現在は農業をしながら地域や学校などを中心に講演活動、地域のALLYの人たちと伊賀の伝統的工芸品とコラボしてレインボーカラーの組紐や焼き物を製造販売している。伊賀市のふるさと納税返礼品にも採用されている。この日は「自分らしく生きるために~伊賀で実現できた僕らの生活~」をテーマに講演した。

 日本ではまだ性的少数者がカミングアウトしにくい空気があると嶋田さんら。自分たちの歩んできた人生や社会生活の中での生きづらさ、三重県が全国に先駆けアウティング(きになる相手の性別や性的指向、自分の認識する性別、性自認を第三者に暴露する行為)禁止を盛り込んだ性の多様性に関する条例を制定したことなどを紹介。デマに苦しんだことや、LGBTを理解・支援する「ALLY」などについても語った。

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