令和6年度熊野市総合防災訓練が10月31日、熊野市有馬町の市総合グラウンドを主会場に行われ、河上敢二市長や濱重明市議会議長、東豊県議、藤根正典県議、市消防本部職員、県職員、熊野署員、市議会議員、地元住民ら大勢が参加した。
この日は「南海トラフを震源とする地震が発生し、大津波警報が発令された」との想定で避難訓練を実施。各地に地震発生を知らせるサイレンが吹鳴されると、海岸部各地区で約150人の住民が避難を行った。
その後、同グラウンドの参加者約300人を7班に分け、住民レスキュー(ロープ結索・脚立取り扱い・バール取り扱い)、情報伝達、応急手当、警察車両見学、起震車による地震体験の各ブースで訓練や体験に取り組んだ。
このうち、倒壊家屋の下敷きになった人を救出するバール取り扱い訓練では、てこの原理を使用する場合に当て木の距離で力の入り具合が違うことなどを体感。応急手当訓練では買い物袋を三角巾替わりに使う方法や、雑誌を使った固定方法なども実践した。
また、ロープ結索では固く結べて簡単にほどける巻き結びを実践。起震車では南海トラフ地震で予想されるプレート型の揺れや、能登半島を襲った直下型の揺れを体験し、頭を守るダンゴムシのポーズから揺れによって体が飛ばされそうになった場合は手を床について踏ん張ることも学んだ。
河上敢二市長は「今回は中学生の皆さんを中心に、地元の皆さんも加わって総合的な訓練を行った。中学生の皆さんは自分の身を守るだけでなく、将来は地域を守る重要な役割を果たしていただける。真剣に訓練に取り組んでいただいていることは大変心強いし、ありがたい思いでいっぱいです」と訓練を振り返った。