熊野市の中学生が市議会を体験する「熊野市の未来を考える中学生議会(くまの未来議会)」が23日、市役所内の議場で開かれた。市内の全中学3年生97人を対象に実施。10人の生徒が中学生目線で森林保護や観光振興、健康づくり、熱中症対策、防災など熊野市の未来について一般質問を繰り広げた。
市教育委員会が主権者教育の一環として開催。市政や議会の意義・仕組みを学び、地方自治への関心を深め、地域課題を解決しようとする態度の育成、社会の形成者として必要な資質・能力の育成に取り組む機会とすることを目的に開催した。
生徒たちは事前学習を行い、くまの未来議会に臨んだ。午前中は木本、入鹿、飛鳥中の生徒41人、午後からは有馬中学校の生徒56人が熊野市役所を訪れ、議場見学などで議会などについて学んだ。
一般質問を前に、市議会の濱重明議長が「堂々と元気よく質問を」と挨拶。河上敢二市長は「成人年齢が18歳になり、皆さんも3年後には選挙権を持ちます。体験を通して市議会含め地方自治への関心を深めていただき、地域の課題を認識し解決しようという思いを持っていただければ」と述べた。
この後、午前中は桝本清示(木本中)、野菜花(飛鳥中)、喜田心美(木本中)、西海晴(入鹿中)、小鷺海人さん(木本中)が記念通りや森林保護、移住・定住のまちづくり、観光振興、避難困難者への対策について。午後からは有馬中の大江悠生、大威璃々、湊壮眞、湊彩音、草深百花さんが熱中症対策、ひとり親家庭への支援、避難所生活、健康づくりへの参加促進、熊野アグリパーク計画に関し一般質問。市政への素直な感想や若者視点での提案など子どもたちのしっかりした意見に、執行部も真剣な表情で答弁していた。
最後は河上市長が「皆さんからいただいた質問や提言の全てを直ちに十分対応することは難しいかもしれませんが、時間をかけてでも実現に向けてしっかり努力していきたい。皆さんは将来の社会を担う大切な存在。未来議会の参加を契機に、地域や社会の現状についてこれまで以上に関心を持ち、自分たちの住むまちがどうすれば元気になり、みんなが健康で幸せな生活を送っていけるか、事あるごとに考えていただければありがたい」と激励した。
トップバッターを務めた木本中の桝本君は「思ったより緊張せずに質問できました。この経験を将来に活かしたい」と話していた。