御浜町阿田和、元小学校長の田上昇さん(88)が高齢者叙勲・瑞寶雙光章に輝いた。3日、田上さんの自宅を熊野市教育委員会の倉本勝也教育長と雑賀大策総務課長が訪れ、勲章と章記を伝達した。
田上さんは熊野市木本町出身。矢ノ川小学校(旧紀和町)で臨時教員として経験を積み、翌年、明倫小学校の教師となった。以来、39年間にわたり熊野市飛鳥小学校や紀宝町鵜殿小学校などで教鞭をふるった。教育事務所なども経て、熊野市新鹿小学校長となり平成9年に惜しまれつつ退職。熊野市教育委員会などでも社会教育や文化の発展に尽力した。
人望も厚く御浜町文化協会長なども歴任。のど自慢でも知られ、カラオケ愛好者らでつくる紀州歌謡クラブの会長も長年務めた。
叙勲の知らせに「とにかくびっくりしました」と田上さん。臨時から合わせて40年に及ぶ教員時代を「鵜殿小学校でやった視聴覚教育が印象深い。飛鳥小学校は12年間と長く務めた。教員の間に8回ぐらい転居し、家内にも迷惑をかけた」と振り返る。妻・愛子さんの支えにも「世話になりっぱなし。この人がいなければ生きてはいけない」と感謝の気持ちを話した。
現在の趣味はアジサイの栽培。旅先などでの写真撮影も好きという。「紀州歌謡クラブの会長を長くやっていたので、カラオケ好きと思われています」と笑った。
今回の伝達は田上さんの最後の勤務地が熊野市の新鹿小学校だったことから、熊野市教委が行った。勲章などを手渡した倉本教育長は田上さんの功績をたたえ、学校教育や教育行政などへの長年の尽力にお礼を述べていた。